AI と転職
ChatGPTで書いた志望動機はバレる? 困るのは面接で応募の理由を聞かれた時
ChatGPTに求人票と職務経歴書を渡して書かせた志望動機で困るのは、AIを使ったと見抜かれることより、面接で「なぜうちなのか」と聞かれて答えが続かないことです。丸投げの志望動機には、応募先を選んだきっかけになった出来事が入りません。本当の理由が条件だけの時に決め手を思い出す方法、出す前に直す4つの手順、確認プロンプトの全文を載せます。
公開 2026年9月26日 · 更新 2026年10月12日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・文章からAIを使ったと見抜けるかは分からない。困るのは、面接で応募の理由を聞かれて答えが続かないこと
- ・試した丸投げの志望動機は6通とも「貴社を志望する理由は」で始まり、中ほどで職務経歴書の経歴を言い換え、6通中4通は「貢献したい」で締めた。応募先を選んだきっかけになった出来事は入らなかった
- ・本当の理由が条件だけでも、条件の近い求人と比べて決め手になった求人票の記述を思い出せば、志望動機の材料になる
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ChatGPT に求人票と職務経歴書を貼って「志望動機を書いて」と頼んだら、400字の整った志望動機が返ってきた。今週中に出したいのに、「AI で書いた志望動機はバレる」という話を見て手が止まっている。応募先は年収や通勤で選んだので、自分でも理由をうまく言えない。
志望動機の文章を読んで AI で書いたと見抜けるかどうかは、調べた範囲では分かりません。困るのはそれより、面接で「なぜうちなのか」と聞かれた時に答えが続かないことです。丸投げで作った志望動機には、あなたが応募先を選んだきっかけになった出来事が入っていません。ChatGPT に渡していないので、書けないのは当然です。
当サイト PREVIO で、架空の人事担当者の経歴を ChatGPT のウェブ版に渡し、架空の求人2つに3回ずつ志望動機を書かせたところ、次のような形になりました(この記事の「試した」はすべてこの条件で、詳しくは最後にまとめています)。
- 書き出しは「貴社を志望する理由は」(6通とも)
- 中ほどに、職務経歴書に書いた経歴の言い換え(6通とも)
- 締めは「〜に貢献したい」(6通中4通)
本当の理由が条件だけでも、志望動機は作れます。条件の近い求人と比べた時に、どの点でこちらに決めたかを思い出してください。
出す前に直す4つの手順
- 下書きの文を1つずつ3種類に分ける: 「会社の説明」「これまでの経験」「これからしたいこと」
- これまでの経験を書いた文を職務経歴書と見比べる: 求人票の言葉で経歴を実際より広く書いていないか
- 「〜したい」の文に、きっかけになった出来事を書き足す: 書き足せない文は消す
- 確認プロンプトで調べ、最後は自分で読み直す: 自分の体験を書いた部分が「出来事」と判定されるか
丸投げの志望動機には、応募先を選んだきっかけが入らない
試した6通のうち、食品メーカーの採用リーダーの求人に応募する想定で書かせた1通の書き出しと締めです(抜粋)。
貴社を志望する理由は、これまで培ってきたIT・技術職領域の採用経験を活かし、事業変革を人材面から支えたいと考えたためです。特に、基幹システムの刷新や工場の自動化を進めるとともに、社内でIT人材を育成する方針に魅力を感じています。
(中略)
採用活動の仕組み化とメンバー育成にも取り組み、貴社の持続的な成長に貢献したいと考えています。
「なぜこの会社か」に当たる部分は、求人票にある会社の取り組み(基幹システムの刷新と工場の自動化)の言い換えです。応募先を選ぶきっかけになった出来事(本人が見たことや、したこと)は、6通のどれにも書かれていません。中ほどは職務経歴書の言い換えで、「現職では…年間50名規模の採用を主導し」という文は、応募先が違っても6通すべてに入っていました。
採用担当者が AI っぽいと感じる理由として挙げたものも、この点に近いものでした。株式会社SHIFT AI が2026年5月に採用・人事担当者503名へ行った調査では、中途採用の担当者の66.9%が応募書類に AI の利用を「感じる」と答え、理由の1位は「表現は洗練されているのに、具体的なエピソードや数字が伴っていない」でした(「【採用担当者503名に調査】新卒採用担当の64.0%が"AI書類"で選考落とし経験あり」、2026年9月26日確認。題名の数字は新卒採用のもので、66.9%は同じ調査の中途採用担当者の回答)。これは担当者が「感じる」と答えた割合で、実際に AI で書かれた書類かどうかを確かめた数字ではありません。
面接で「工場の自動化のどこに関わりたいのか」と聞かれても、「貴社の持続的な成長に貢献したい」という文だけでは、自分の体験を挙げて答えられません。この文を、自分の出来事を使った文に書き換えるのが次の4つの手順です。
1. 下書きの文を1つずつ3種類に分ける
下書きの文を上から1つずつ見て、次の3種類のどれに当たるかを決めます。
- 会社の説明: 求人票にある事業や取り組みの言い換え(「〜に魅力を感じています」)
- これまでの経験: これまでの仕事でしてきたこと
- これからしたいこと: 「〜したい」「〜に貢献したい」
試した丸投げの6通では、会社の説明とこれからしたいことの文が多く、これまでの経験の文はほぼ職務経歴書の言い換えでした。これまでの経験の文は手順2で、これからしたいことの文は手順3で直します。会社の説明の文は、手順3で自分の出来事とつながる部分だけを残します。
2. これまでの経験を書いた文を職務経歴書と見比べる
これまでの経験を書いた文は、1文ずつ職務経歴書と見比べます。気をつけたいのは、求人票にある言葉を使って、自分の経歴を実際より広く書いた文です。
たとえば(架空の例)、居酒屋チェーン1社の本部に勤怠システムを導入した営業の人が、求人票に「外食チェーンの本部への提案」とあるのを見て「外食チェーンの本部への提案を経験してきました」と書くと、読む側は何社も担当してきた人だと受け取ります。1社なら1社の話のまま、「居酒屋チェーンの本部に勤怠システムを導入した」と書く方が、面接でそのまま話を続けられます。
ChatGPT も同じことをします。試した1通は「採用戦略の策定からスカウト運用、採用広報、メンバー育成まで幅広く経験しています」と書きました。職務経歴書にあるのは「採用チーム3名のマネジメント」で、「メンバー2名の指導」は求人票の仕事内容です。また、求人票の言葉ではありませんが、同じ1通には職務経歴書に無い「データを活用した業務改善が強みです」という文もありました。
求人票にある言葉で経歴を広げた文は、手順4の確認プロンプトでは拾えないことがあります(「メンバー育成」の文は拾えませんでした)。ここは自分の目で見ます。
3. 「〜したい」の文に、きっかけになった出来事を書き足す
「〜したい」の文には、そう思うきっかけになった出来事を1つ書き足します。ここで言う出来事は、いつ・どこで・誰が・何をしたか、何を見たかのことで、そこで思ったこと(考え)とは分けて書きます。並べる順は「自分の体験 → 求人票で読んだ記述 → そこで思ったこと」にすると、なぜこの会社かが伝わります。
手順2の営業の人なら、こうなります(架空の例)。
- 体験: 2年前、居酒屋チェーンの本部に勤怠システムを導入した。店長から「シフトの締めが面倒になった」と不満が出て、本部の人事の人と店舗を回って設定を直したが、途中で別の部署に引き継いだ
- 求人票で読んだ記述: 「新製品の導入支援」
- そこで思ったこと: 導入した後まで自分で見られる仕事だと思った
この3つを書いた文を、「外食産業の現場を支える製品の普及に貢献したい」の代わりに置きます。引き継いだ事情(上司の判断など)まで書く必要はなく、「途中で引き継いだ」という事実で足ります。
きっかけになった出来事を書き足せない「〜したい」の文は消します。
本当の理由が条件だけの時
年収や通勤、休みで選んだ人も、条件の近い求人が他にもあったはずです。その中からこの求人に決めた時に、決め手になった求人票の記述を探します。会社の説明より、仕事内容や職場の様子を書いた部分の方が、自分の出来事とつながりやすいと考えています。
たとえば(架空の例)、事務の人が、年収のほぼ同じ物流会社の事務と比べて、食品工場の事務所の求人に決めたとします。決め手は求人票の「工場と事務所が同じ敷地で、現場の人とのやりとりが多い」という記述でした。今の職場で、倉庫の人から電話で「この品番どれ?」と聞かれることが多く、品番の一覧表を作ったことがあったからです。
こじつけかどうかの分かれ目は、選んだ時に実際にそう思ったのか、後から理由を作ったのかだと考えています。選んだ時に思い出した経験があるなら、それが材料になります。思い入れの無い「食の安全を支える貴社の事業に魅力を感じ」のような文は消します。
締めと書き出し
締めの「貴社の事業成長に貢献したい」は、どの会社に出しても同じになる言い方です。代わりに、出来事の続きとして、入社したら何をしたいかを書きます。営業の人なら「新製品の導入支援で、導入後に店舗で困りごとが出たところまで自分で見たい」のように、居酒屋チェーンで店舗を回って設定を直したのと同じことを、応募先の仕事でもしたいと書く形です。書けなければ、締めの文は無くても困りません。
書き出しは、「貴社を志望する理由は」をやめて出来事から入って構いません。気になるなら「導入した後まで担当できる営業をしたいと考えています」のように理由を1文置いてから、出来事に入ります。
4. 確認プロンプトで調べ、最後は自分で読み直す
このプロンプトは、直した下書きを1文ずつ見て、求人票にも職務経歴書にも書いていない部分を抜き出し、その部分を「出来事」と「出来事以外(約束・考え・評価など)」に分けて示します。良し悪しや直し方は書かせません。新しいチャットに貼り、最後の3か所に下書き・求人票・職務経歴書を入れて送ります。
志望動機の下書きと、応募先の求人票と、私の職務経歴書を貼ります。
志望動機の中に、求人票にも職務経歴書にも書いていないことがどれだけあるかを調べてください。
Web 検索や外部の資料、ツールは使わず、貼った文章だけを見て答えてください。
志望動機を 1 文ずつ上から順に見て、次の形で 1 行 1 文を書き出してください。
志望動機の文(そのまま引用)| 求人票にも職務経歴書にも無い部分 | 種類
- 「求人票にも職務経歴書にも無い部分」には、その文のうち、求人票にも職務経歴書にも書いていない部分をそのまま引用してください。言葉づかいが違うだけで同じ内容が書いてあるものは含めません。無ければ「無し」と書きます
- 無い部分が 1 文に 2 つ以上あるときは、「/」で区切って全部書いてください
- 「種類」には、無い部分それぞれについて、次のどちらかを書きます(2 つ以上あるときは同じ順に「/」で区切る)
- 出来事:いつ・どこで・誰が・何をしたか、何を見たかが書いてある
- 出来事以外:これからの約束、考え、評価、一般的な説明
- 良し悪しの評価や、どう直すべきかは書かないでください
- 書き直した文は出さないでください
---
【志望動機の下書き】
(ここに志望動機を貼る)
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【求人票】
(ここに求人票を貼る)
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【職務経歴書】
(ここに職務経歴書を貼る)
試した結果は、次のとおりです。
| かけた志望動機 | 「出来事」 | 「出来事以外」 |
|---|---|---|
| 丸投げの6通(1通に1回ずつ) | 6回とも0か所 | 1通あたり4〜7か所 |
| 体験を入れて書いた作例(2回) | 2回とも6か所 | 2回とも3か所 |
作例は、人材紹介会社にいたころ紹介したエンジニアが最終面接の前に辞退した体験から、応募先の求人票にあった「工場見学を組み込んだ選考フローの設計」につなげた架空の志望動機です。辞退したこと、その理由、現職で辞退の理由を毎月集計していることが「出来事」と出ました。
見るのは、自分の体験を書いた部分が「出来事」と判定されるかです。「出来事以外」ばかりなら、その下書きはまだ約束や考えが中心です。
ただし、手順2の型の文は拾えないことがあります。手順2で挙げた「メンバー育成まで幅広く経験しています」を含む文は、求人票にも職務経歴書にも無い部分が「無し」と判定されました(抜粋)。求人票に「メンバー2名の指導」があるからだと思われます。
| 志望動機の文(そのまま引用) | 求人票にも職務経歴書にも無い部分 | 種類 |
|---|---|---|
| 現職では採用リーダーとして年間50名規模の採用を主導し、採用戦略の策定からスカウト運用、採用広報、メンバー育成まで幅広く経験しています。 | 無し | 無し |
最後は自分で全文を読み、自分の口で言えない文が残っていないかを確かめます。
ChatGPT に体験を渡して書き直させた結果
丸投げの返答の後、同じ会話で次のように頼み、作例と同じ体験のメモを渡して3回試しました。
この志望動機に、次の私の体験を入れて書き直してください。
(ここに体験のメモを貼る)
3回とも、渡した出来事は入りました。一方で、書き出しは3回とも「貴社を志望する理由は」のままで、締めは3回とも「貢献したい」でした。渡した体験の言い方が勝手に変わった回もあり、毎月「集計」していることは3回中2回で「分析」に変わりました。丸投げの時点で入っていた、職務経歴書に無い「メンバー育成」は、書き直しても残った回がありました。
書き直させるなら、出来上がった文を自分のメモと見比べ、出来事がメモのとおりに書かれているかを確かめてから、手順4の確認プロンプトで調べます。まず自分で書き、AI は書いた後の確認に使う方が、言葉が変わる心配は少ないと考えています。最初から AI と一緒に作り直すなら、ChatGPTで志望動機を作る手順が使えます。
出す前に確かめる3点
- これまでの経験を書いた文は、職務経歴書と見比べた。求人票の言葉で経歴を広く書いた文は無い
- 「〜したい」の文には、そう思うきっかけになった出来事を書き足した。書き足せない文は消した
- 確認プロンプトで、自分の体験を書いた部分が「出来事」と判定された
よくある質問
AI 判定ツールにかけられたらバレますか
応募書類を AI 判定ツールにかける会社がどれだけあるかの数字は見つかりませんでした。判定ツールは誤判定があると提供元自身が書いていて、日本語に対応する製品もあります。ツールで「バレる」「バレない」とは言い切れません。仕様の詳しい話は「AIで書いた職務経歴書はバレるか 採用担当者が見ているのは中身で、出す前に直せる」にまとめています。
面接で「年収や通勤も理由ですか」と聞かれたら、否定した方がいいですか
本当の理由を否定すると、その先の質問にまた答えが続かなくなると考えています。本当の理由は1つではありません。条件が決め手になったのも本当で、条件の近い求人と比べ、求人票の記述を読んでこちらに決めたのも本当です。どちらも自分の口で言える状態にしておけば、どちらを聞かれても答えられます。どう答えると評価が上がる・下がるかの資料は見つかりませんでした。
条件を正直に言うと落とされますか
分かりません。条件を口にした人がどれだけ落ちるかを示す資料は見つかりませんでした。
書き直したら地味で短くなりました。大丈夫ですか
上の調査で公表された、採用担当者が AI っぽいと感じる理由の上位2つは、具体的なエピソードや数字が無いことと、文章が整いすぎていることで、短さや地味さではありませんでした。応募先が字数を指定しているかは確かめてください。短い志望動機がどう評価されるかの資料は見つかりませんでした。
職務経歴書に書いていない体験を、志望動機に書いてもいいですか
志望動機で一番大事な出来事なら、職務経歴書にも1行足しておくと食い違いません。読む側が職務経歴書で同じ件を見つけられます。足す時は、自分がしたことだけを短く書きます。「たしか8軒回った」のように数が確かでないものは書かず、面接で聞かれたら口で答えれば足ります。
転職理由の本音(新規開拓に疲れたなど)は書いてもいいですか
「疲れた」をそのまま書くより、「既存のお客さんを深く担当したい」と思うきっかけになった出来事を書く方が、面接で聞かれても自分の体験で答えられると考えています。面接で転職理由を聞かれた時は、志望動機と食い違わない話にしておきます。この点を扱った資料は見つかりませんでした。
AI を使ったことは書いた方がいいですか
面接で「AI を使いましたか」と聞かれた時の答え方は、「面接で「応募書類や面接準備にAIを使いましたか」と聞かれたら 使った人・使わなかった人の回答例」で扱っています。志望動機に書いた方がいいかどうかを示す資料は見つかりませんでした。
この記事で試した範囲
- 試した条件: ChatGPT のウェブ版(gpt-6-thinking、一時チャット、有料プランにログイン、思考の深さは既定)、2026年10月12日。丸投げは、求人票と職務経歴書を貼って「志望動機を400字で書いてください」と頼み、Web 検索や外部の資料、ツールを使わないよう求める1文を足した頼み方で、求人2つに3回ずつ(毎回新しい一時チャット)。確認プロンプトは丸投げの6通に1回ずつと、作例に2回。体験を渡しての書き直しは、食品メーカーの求人で3回(丸投げの返答の後、同じ会話で)です
- 使った経歴と求人: この記事のために作った架空の職務経歴書1通(人材紹介会社で4年、事業会社の採用で約6年半の人事担当者)と、架空の求人票2つ(飲食・小売向けクラウドサービスの人事マネージャー、食品メーカーの採用リーダー)です。営業と事務の例は説明のための架空の例で、ChatGPT にはかけていません
- 判定について: 確認プロンプトの結果は ChatGPT が出したもので、抜き出し方は回によって揺れます。「出来事」はプロンプトの定義による分類で、本当にあった体験かどうかは分かりません
- 分からないこと: 文章から AI を使ったと見抜ける割合、採用担当者が出来事から始まる書き出しや短い志望動機をどう受け取るか、条件を理由に挙げた時の評価は、資料が見つかりませんでした。ほかの経歴・求人・頼み方、ほかのチャット型の AI で同じ結果になるかは試していません