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テスターを辞めたい?手順書どおりに実行するだけで終わる会社の見分け方

テスターが手順書どおりの実行だけに固定されるのは、職種ではなく常駐先と配属の決まり方の問題で、会社で変わります。一方、テスト期間が削られること、見逃せば問われることは、工程の最後で確かめる役目に付いて回ります。出すか止めるかを QA だけで決められる会社も少ないと考えられます。会社を変えても同じにならないかを面接の答えで見分ける方法、今の会社で頼み直す道、年収の比べ方をまとめました。

公開 2026年9月29日 · 更新 2026年10月9日 · 集計 2026年9月29日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること

  • ・実行だけに固定されるのは職種ではなく、常駐先と配属の決まり方の問題。会社で変わる
  • ・テスト期間が削られる、見逃せば問われる、は工程の最後で確かめる役目に付いて回る。出すか止めるかを QA だけで決められる会社は少ないと考えられる
  • ・会社を変えても同じにならないかは、直近の出来事を聞いて、人・時期・案件が答えに出るかで見分けられる
目次開く
  1. 01実行だけに固定されるのは、配属の決まり方の問題
  2. 02テスト期間が削られる、見逃すと問われるのは、テストの仕事に付いてくる
  3. 03会社を変えても同じ 4 年にならないかは、面接の答えで分かる
  4. 04実行の経験だけでも、職務経歴書に書けることはある
  5. 05今の会社に残る道もある。頼み直すなら 1 機能に絞って頼む
  6. 06年収が下がらないかは、残業代を分けて比べる
  7. 07よくある質問
  8. 08この記事の数字と声について

テストを請け負う会社の社員として、客先に常駐して 4 年になる人がいるとします(架空の例です)。テストケースと手順書は元請の正社員が書き、自分は結合テスト・総合テストの手順書どおりに画面を操作して、結果のスクリーンショットを Excel に貼る。開発が遅れても切り替え日は動かず、総合テストの期間だけが縮んで、毎晩遅くまで残業が続く。本番で不具合が出ると、テストで見ていなかったのかと問われる。上長にテスト設計をやりたいと伝えても、次も同じ案件に残ることになった。テスターという仕事がそもそもこうなのか、会社を変えれば違うのかが分からない。

手順書どおりに実行するだけで終わるのは、テスターという職種のせいではありません。常駐先と配属の決まり方の問題で、これは会社によって違います。 設計を誰が書くか、次の案件を誰が決めるかは、会社が決めていることだからです。

一方で、前の工程が遅れてテスト期間が削られること、見逃せば問われることは、工程の最後で確かめる役目に付いて回るものです。出すか止めるかを QA だけで決められる会社も、少ないと考えられます。自社プロダクトの QA に移っても、形を変えて残ります。会社で違うのは、残業がどこまで膨らむかと、出すかどうかを決める場に QA が呼ばれるかどうかです。

実行だけに固定されるのは、配属の決まり方の問題

厚生労働省の job tag は、テストやデバッグの仕事について「仕事には幅があり」と書き、バグを見つけることだけを行う人もいれば、原因を検討して修正まで行う人もいると説明しています(「デバッグ作業 - 職業詳細」、2026 年 10 月 9 日確認)。同じ職種の中に、実行だけの人も、確認の方針や項目を決める人もいます。

常駐の場合、実行と設計のどちらを担当するかは、常駐先と自社の配属で決まります。元請や客先の正社員が設計を書く現場に入れば、実行の担当になります。客先に常駐してテストをしていた人は、2019 年の投稿(2015〜2018 年の経験)で、「私の参加したプロジェクトの特性かも知れませんが」と断ったうえで、仕様の疑問を出したときの扱いを、端的に言えば「元請けの正社員で判断します」「テストに専念してください」だった、とまとめています。手順書の前提の誤りに気づいても、判断するのは元請です。

そして、次にどの現場に入るかを決めるのも会社です。希望を伝えても、今の案件の延長が決まってしまう。4 年同じだったのは、この決まり方が変わらなかったからです。

求人票を見ても、設計に関わる仕事は珍しくありません。当サイトの掲載求人で、テスター・QA の求人を出している会社のうち、求人票にテスト設計やテストケース作成と書いている会社は約 75%、自動化と書いている会社は約 65% でした。ただし、語が書いてあることと、入社後にその仕事がどれだけの比重を占めるかは別です。だから、会社を変えるなら、配属と担当がどう決まるかを確かめることになります。

テスト期間が削られる、見逃すと問われるのは、テストの仕事に付いてくる

テストは、作られたものを最後に確かめる工程です。この工程を受け持つ限り、次のようなきつさは会社を変えても残ります。会社によって違うのは、右の列の部分です。

辞めたくなる場面会社によって違うところ
前の工程が遅れても、リリース日や切り替え日は動かず、テストの期間だけが縮む残業がどこまで膨らむかと、テスト範囲を誰が決めるか
本番で不具合が出ると、見逃したのかと問われる振り返りで見直す範囲を、テストの工程だけに置くか
出すか止めるかを、QA だけでは決めにくい判断の場に QA が入るか
回帰テストで同じ手順を何度も通す自動化がどこまで進んでいて、手作業で確かめる量がどれだけか
人の作ったものの誤りを指摘し、作った人に返す相手が同じチームか別の会社か

job tag も、開発の山場や問題点が見つかった場合など「残業が多くなることもある」と書き、バグは想定外のところにもあるので「人海戦術でしらみつぶしに確認する」と説明しています。転職情報の記事にも「リリース日が固定されている場合、テスト期間が削られてもリリースは強行されます。」と書くものがあります。品質保証チームのリーダーの立場から「QAチームにリリース延期の決定権はありません。」と書く声もあります。

自社プロダクトの QA に移れば楽になる、とは言えません。変わるのは、開発が遅れたときにリリース日をずらすか範囲を絞るかを決める場に QA が呼ばれるか、本番の不具合の振り返りで、見直す範囲をテストの工程だけに置かないか、のほうです。

会社を変えても同じ 4 年にならないかは、面接の答えで分かる

聞くのは、方針ではなく直近の出来事です。方針を聞くと、どの会社も良い答えを返せます。見分ける目印は、答えに人・時期・案件が出てくるかどうかです。聞くことは、大事な順に 4 つです。

1. 次の案件は誰が決めて、本人の希望はどう扱われますか

テストの会社にもう一度移るなら、これが一番大事です。ここが今の会社と同じなら、会社を変えても同じ 4 年になりえます。前回の案件の変わり目に、希望を出した人がどこに配属されたか、という形で聞くと答えが具体的になります。

2. 直近で入った人は、入社何か月目からテストケースを書き始めましたか

具体的な答えは、去年 4 月に入った人が最初の 2 か月は既存のケースを回し、夏のリリースから担当機能のケースを書いている、といったものです。早い人は 3 か月、本人の意欲次第、といった答えでは、誰の話なのかが分かりません。ぼんやりした答えが返ってきたら、その人は今どの機能のケースを書いていますか、と一歩だけ続けます。それでも誰の話かが出てこなければ、そういう例はまだ無いのかもしれません。

3. 直近のリリースで、テストが終わり切らなかった所はありましたか。出すかどうかは誰が決めて、QA はその場にいましたか

たとえば、回帰テストの一部が残ったので、QA のリーダーが残りの範囲とリスクを出し、PM と話して 1 週間延ばした、と返ってくれば、誰がどう決めたかが分かります。品質第一なので、QA の意見は尊重している、という答えだと、決めた人もその時どうしたかも分かりません。開発が遅れたときに、リリース日をずらしたか、範囲を絞ったか、テスト期間を縮めたかまで聞くと、みんなで頑張って乗り切った、という答えとの差がはっきりします。

4. 直近で本番の不具合が出た時、振り返りはどう進めましたか

開発のレビューとテストの範囲の両方を見直し、この種類の変更は次から回帰テストに足すことにした、という答えなら、開発とテストの両方を見直しています。テストで漏れた所を洗い出して QA が再発防止策を出した、という答えは、見直す範囲をテストの工程だけに置いています。今の現場で問われた、テストで見ていなかったのか、と同じ形です。

実行の経験だけでも、職務経歴書に書けることはある

手順書の前提が仕様書と食い違っていると気づいて伝えた件は、仕様書と手順書を突き合わせてテストの前提の誤りを見つけ、報告した、と書けます。手順書をなぞるだけでなく、仕様を読んで確かめていたことが伝わります。結局手順書どおりに進めるよう言われた結果は、書かなくて構いません。

本番の不具合の後に経緯の資料を作った経験は、テストの範囲と実施内容を整理して、経緯を説明する資料を作った、と書けます。どこまで確かめ、何が範囲外だったかを説明できることが伝わります。そのうえで、担当した工程(結合・総合)、システムの種類、起票した不具合の件数、JSTQB の資格を並べます。

今の会社に残る道もある。頼み直すなら 1 機能に絞って頼む

辞める前に、今の会社で頼み直す道もあります。前回、テスト設計をやりたいと伝えるだけで流されたなら、次は具体的に頼みます。

たとえば、次の改修のうち 1 機能だけでもテストケースを書かせてもらえるよう、常駐先に打診してほしい、と頼みます。仕様書との食い違いを見つけて報告した件を添えれば、やりたいだけの人ではないと伝わります。あわせて、次に案件が変わるのはいつ頃か、設計を任せてもらえる案件に入るには何ができればよいかも聞いておきます。案件の変わり目を過ぎてから言うと、また延長で決まってしまいます。

いつから設計を任せるか、時期まではっきりした返事がもらえたなら、残るのも十分な選択です。そのうち、空きが出たら、のような返事なら、今の決まり方は変わらないと考えてよいはずです。求人を見て面接で話を聞くところまでは、辞めると決めなくても並行してできます。

年収が下がらないかは、残業代を分けて比べる

残業の多い現場から移ると、残業代が減る分、総額は下がりやすくなります。比べるときは、今の残業代込みの年収と、提示された年収に移った先で見込める残業代を足した額を並べます。見込みの残業代は、提示額のうち賞与を除いた月給を月の所定労働時間で割って時給を出し、そこから残業 1 時間あたりの額を出して、見込みの残業時間を掛けて 1 年分にします。手当の扱いなどで実際の額はずれるので、ざっくりした見積もりです。

提示に固定残業代が含まれているかも確かめます。何時間分を含む、とあれば、その分の残業代はもう入っているので足しません。見込みの残業時間は、面接で直近の残業時間と、それを含めた実際の年収を聞けば分かります。同じ年齢・経験年数のソフトウェア開発職と比べた相場は、別の記事「QAエンジニアの年収は低い? 同じ年齢・経験年数のソフトウェア開発職の平均年収と比べる」で扱っています。

よくある質問

テスターを続けても、ずっとテスト実行のままですか?

会社と配属しだいです。当サイトの掲載求人で、テスター・QA の求人を出している会社のうち、入社後の将来の担当として、テスト設計や自動化、リーダーなどを書いている会社は約 15% でした。まずはテスト実行から、と始まる書き方もここに入ります。これは応募できる会社の割合ではなく、道筋を求人票に書いている会社の割合です。書いていない会社でも実行から入れることはあります。書いてある会社は、入社後の道筋を面接で具体的に聞きやすい、というだけです。

実行の経験だけで、自社プロダクトの QA に移れますか?

採用されるかは、正直なところ言い切れません。移れた人の割合を示す数字が無いからです。ただ、上の職務経歴書の書き方で、実行の中で仕様を確かめてきたことは伝えられます。当サイトの掲載求人では、QA の求人を出す会社の約 40% が JSTQB を挙げていて、目で見た範囲では応募条件の欄でした。持っているなら、そのまま書けます。

コードがほとんど書けません。自動化はどのツールから始めればいいですか?

行きたい求人に書いてあるツールに合わせるのがよいと思います。Autify や MagicPod のようなノーコードのツールが書いてある求人なら、それで練習したことはそのまま面接で話せます。Selenium や Playwright と書いてある求人に、ノーコードの練習だけで臨むと、経験として弱く見られるはずです。ノーコードでも、何を確かめ、どこまでを自動で確かめて何を手作業に残すかは自分で決めます。そこはテスト設計そのものなので、設計をやりたい人の練習にもなります。

テストの会社と自社プロダクトの QA では、働き方はどう違いますか?

第三者検証の会社にいた人は、自分の現場について「テストの進め方なども顧客のやり方に合わせることがほとんどでした。」と書いています。事業会社の QA に移った人は、苦労したこととして、評価する人が身近にいて、評価面談で口先だけでは通じないことを発表で挙げています。常駐だと自社の上長は現場を見る機会が少ないので、評価は常駐先からの評判や稼働の状況をもとにしがちです。

この記事の数字と声について

  • 当サイトの数字は、2026 年 9 月 29 日時点で当サイト PREVIO に掲載していたテスター・検証エンジニア・QA の求人のうち、求人のタイトルからテスト・検証・品質保証の仕事と読めるものを会社単位で数えました。「書いている会社」はその語を書いた求人を 1 件以上出している会社です。求人票に書いてあるかで数えたもので、入社後の仕事の比重や実態ではありません。割合は 5% 単位に丸めています。日本の求人全体の数字ではありません
  • 当サイトの掲載求人は自社プロダクトの QA が中心で、テストの会社や客先常駐の会社の求人は少なめです。テストの会社の求人に何が書かれやすいかは、この数字には表れにくくなっています
  • 仕事に幅があること、繰り返しの確認、山場の残業は、厚生労働省の job tag「デバッグ作業」(2026 年 10 月 9 日確認)によります。この職業は開発の中でデバッグをする人も含み、QA 専任の人だけの説明ではありません
  • 設計を誰が書くか、リリースを止める決定権、客先のやり方に合わせること、評価のされ方は、働いている人の体験談や発表、転職情報の記事をもとに、個人の声として紹介しています
  • 次は当サイトの見立てと助言です。面接の答えや頼み方の文は、説明のための例です
    • 実行だけに固定されるのは配属の決まり方の問題だという切り分け
    • 出すか止めるかを QA だけで決められる会社は少ないこと
    • 面接の質問と答えの見分け方
    • 職務経歴書の書き方と上長への頼み方
    • 常駐では評価が常駐先からの評判に寄りやすいこと
    • 年収の比べ方と、自動化のツールの選び方
あなたの経歴、最高でいくら?確かめる