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SEを辞めたい?仕様変更のたびのやり直しはどこでも同じか
仕様変更のたびに設計書とテストをやり直すことと、納期前の忙しさは、受託の SE を続ける限り、会社を移っても付いてきます。会社で変わるのは、変更の理由を顧客から直接聞けるか、要件を決める打ち合わせに出られるか(商流の位置)と、常駐かどうかです。辞めたいのが SE か会社かの見分け方、今の会社に残る道、求人票で分かることと分からないこと、上司と面接で聞くことをまとめました。
公開 2026年9月30日 · 更新 2026年10月9日 · 集計 2026年9月30日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・仕様変更による設計書とテストのやり直し、納期前の忙しさは、受託の SE を続ける限り会社を移っても付いてくる
- ・会社で変わるのは、変更の理由を顧客から直接聞けるか、要件の打ち合わせに出られるか(商流の位置)と、常駐かどうか
- ・常駐と商流は求人票ではほとんど分からないので、直近の案件で誰が要件の打ち合わせに出ていたかを上司や面接で聞く
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SIer で SE をしている人がいるとします(架空の例です)。会社は二次請けで、元請けのビルに常駐して銀行の業務システムの改修を担当している。仕事は詳細設計書の手直し、テスト仕様書の作成とエビデンスの貼り付け、協力会社への依頼と進み具合の確認。要件定義と基本設計は元請けの社員が銀行と詰めるので、その会議には呼ばれない。この春のリリースでは銀行の要望が元請け経由で 3 回変わり、その度に設計書とテスト仕様書を直し、終わったテストもやり直した。理由を聞いても、お客さんが決めたことなので、という返事しかない。
この繰り返しは、SE を続ける限りどこでも同じなのでしょうか。
仕様変更のたびに設計書とテストをやり直すことと、納期前の忙しさは、受託の SE を続ける限り、会社を移っても付いてきます。 会社によって違うのは、変更の理由を顧客から直接聞けるか、要件を決める打ち合わせに出られるかです。これは会社が元請けか下請けか(商流の位置)で決まります。もう 1 つ、客先に常駐するかどうかも、会社と案件で変わります。
やり直しと納期前の忙しさは、受託の SE を続ける限り付いてくる
厚生労働省の job tag は、受託開発の SE の仕事の流れを、顧客へのヒアリング、要件定義、基本設計、詳細設計書の作成、プログラマーへの依頼と工程管理、テスト計画と各テストの確認、と説明しています。要件定義では顧客と認識のずれが無いようによく検討する、とも書かれています。納期が迫ると休日や夜間に仕事をすることもある、という記述もあります(「システムエンジニア(受託開発) - 職業詳細」、2026 年 10 月 9 日確認)。
顧客から仕事を受けている以上、顧客の要望は後から変わります。厚生労働省の 「IT業界の働き方・休み方の推進|IT業界の現状と課題」 も、白書の分析を引いて、IT 業界で所定外労働が生じる理由に、仕様変更、顧客対応、無理な納期や予算を挙げています(2026 年 9 月 30 日確認)。
辞めたくなる場面ごとに、会社を移っても付いてくるかを並べるとこうなります。
| 辞めたくなる場面 | 会社を移っても付いてくるか |
|---|---|
| 仕様が後から変わり、設計書・テスト仕様書・終わったテストをやり直す | 付いてくる。顧客の仕事を受ける限り無くならない |
| 設計書とテストと資料作りが仕事の多くを占める | 付いてくる。比重は会社と案件で変わる |
| 納期前の休日・夜間の作業 | 付いてくる。忙しさの度合いは会社と案件で変わる |
| 変更の理由を聞けないまま、変更だけが降ってくる | 会社で変わる(商流の位置) |
| 要件を決める打ち合わせに呼ばれない | 会社で変わる(商流の位置と、年次・案件の割り当て) |
| 客先の島の端で、外の人として座っている | 会社と案件で変わる(常駐かどうか) |
SE が嫌なのか、今の会社が嫌なのか
どちらか分からない時は、春のような場面で何がいちばん嫌だったかを思い出すと、見当が付きます。
- 終わったテストをやり直す作業そのもの → 受託の SE の仕事に付いてくることです。会社を移っても残ります
- 理由も聞けず、決める打ち合わせに出られないこと → 今の会社が下請けであることから来ています。移る先で変わりえます
- 客先の島の端で、外の人として座っていること → 常駐から来ています。会社と案件で変わります
1 つ目がいちばん嫌だったなら、受託の SE のまま会社を移っても楽にはなりにくいので、社内SE や自社サービスなど受託以外の働き方や、SE 以外の仕事も含めて考えることになります。2 つ目と 3 つ目なら、SE を続けたまま、元請けや直取引の会社、常駐しない働き方を選ぶことで軽くできます。
元請けに移ると、何が変わるか
元請けにいれば、銀行の要望が変わった時の打ち合わせに出て、なぜ変わったかを聞いたうえで設計書を直せる立場になります。どこまで受けるかの話にも加わりやすくなります。ただ、変更そのものは無くなりません。
元請けに移れば自分でコードを書く日が増える、とも限りません。大手 SIer の 3 年目の人は、「実装の段階になると協力会社や海外拠点に任せる」ので、言語にも GitHub にも触れないと書いています。元請けでも、下の会社への依頼と確認、資料作りは残ると考えておいたほうがよいと思います。
それでも、いちばん嫌だったのが理由を知らされないことなら、この違いは小さくありません。
移ってすぐ、打ち合わせに出られるか
何年目から要件定義に入れるかに、決まった答えはありません。job tag の目安は、新卒から 3 年目頃に一人で詳細設計、5 年目頃に基本設計を含む開発全体ができるようになる、というものです。中途で入った人がいつ打ち合わせに出るようになるかは、会社と案件の割り当てで決まります。二次請けで設計とテストを担当してきた人が元請けに入ると、最初は詳細設計とテストを任されることもありえます。
そこで役に立つのが、顧客の業務の知識です。job tag は、対象の業界の業務の詳しい知識を、SE に必要な知識として挙げています。面接で春の変更を話すなら、設計書を 3 回直した話より、銀行の業務の何が変わり、それがどの画面とどのテストに影響するかを自分で洗い出して、協力会社に作業を振り直した話のほうが、要件を詰める仕事に近い経験として伝わります。
今の会社のまま、担当を変えてもらう道もある
転職だけが道ではありません。12 年勤めた SIer で、社内の異動で担当が変わり、要件定義にも関わるようになった、と書いている人がいます。別の元 SE は、上流の工程を経験できるかは「会社規模、アサインされるプロジェクト運で変わってきます」と書いています。
今の会社にも元請けや直取引の案件があるなら、次はそちらに入れてもらえないか相談する余地はあると考えています。相談するのは常駐先ではなく、自社の上司との評価面談や、案件の切れ目の面談です。辞めたいという話ではなく、次は要件の打ち合わせから関わりたい、という希望として切り出せば、上司にとっても普通の相談として受け取られやすいと考えています。
この 1 年に元請けや直取引の案件が無く、次の案件の希望が通った例も無い、という答えなら、社内で待っても変わりにくいと考えてよいと思います。具体的な聞き方は、後の節にまとめました。
常駐かどうか、元請けかどうかは、求人票ではほとんど分からない
転職先を探す時、常駐かどうかや元請けかどうかを求人票で確かめたくなりますが、ほとんど書かれていません。当サイトの掲載求人のうち、題名が SE 系の求人を出している会社で数えました。約 80% の会社が、常駐の有無をどの求人にも書いていませんでした。プライム・元請・直取引の語がある会社は約 30〜35% です。
書いてある場合も、読み方に注意が要ります。
- 常駐は、「プロジェクトによっては」のように可能性として書く会社と、勤務地を客先にしたり「基本的に客先常駐」と書いたりして、常駐を前提に書く会社があります。勤務地が客先なら常駐が前提です
- 元請けかどうかは、「中心」「メイン」のように数字ではなく程度で書く会社があり、プライムと書いてあってもすべての案件がそうとは限りません
- 上流という語は、当サイトの掲載求人では約 80% の会社が使っていて、求める人物像や将来のキャリアの説明にも出てきます。上流を「将来的には」と書く求人は、入社直後の担当ではないと読めます
書いていない会社が下請けだ、ということにもなりません。常駐の手がかりは、業務内容の欄ではなく、PR ポイントや会社概要の欄に書かれていることもあります。
常駐かどうかで変わるのは、座る場所だけではありません。客先の社員だけのチームで、手順書は穴だらけ、説明は口頭、仕様書に無い仕様のために作業をやり直した、という客先常駐の SE の声もあります。
入ったら打ち合わせに出られるかは、直近の案件の話で分かる
求人票で分からないことは、会社の方針を聞くより、直近の案件で実際にどうだったかを聞くほうが確かです。今の会社の上司にも、応募先の面接にも、同じ形で聞けます。大事な順に 4 つです。
- 直近の案件で、要件定義の打ち合わせには誰が出ていましたか。その方は入社何年目から出ていましたか。 上司には、この 1 年に元請けや直取引の案件があったかと合わせて聞きます。面接では、配属予定に近い案件について聞きます。中途で入った人が出ているなら、自分にも機会が回ってくる見込みがあると考えてよいと思います
- その案件では、顧客との間に何社入っていましたか。 元請けか、何次請けかが分かります
- 作業場所は自社内ですか、お客様先ですか。 常駐かどうかが分かります
- リリース前の月の残業は、何時間くらいでしたか。 求人票の残業時間は、平均や想定の数字です。繁忙期の時間を別に書いている求人は、ほとんど見当たりませんでした。忙しい時期の残業は、聞かないと分かりません
年収は、残業代を除いて比べる
元請けに移ると年収が上がるのか、残業が減って下がるのかは、当サイトには示せる材料がありません。
比べる時は、今の年収から残業代を除いた額と、応募先の提示額から固定残業代を除いた額を並べると、残業が減った場合の見当が付きます。面接では提示額の内訳(基本給、固定残業代の有無と時間)を聞いてください。同じ年齢・経験年数の SE と比べて高いか低いかは、SE の年収の記事で扱っています。
よくある質問
自社サービスの会社に移れば、仕様変更は無くなりますか?
顧客から受ける仕事ではないので、仕様を決める相手が社内になります。ただ、自社サービスの会社で SE の一日がどう変わるかは、この記事では材料が無く扱えていません。実装を自分で担う仕事については、バックエンドエンジニアの記事を参照してください。
情報システム部門(社内SE)も候補になりますか?
候補になります。顧客の側に立つので、仕様を決めてベンダーに渡す立場になりえます。ただ、実際に部署の中で要件を決めているのか、上から降りてきたものをベンダーに伝えるだけなのかは会社で違います。職場の違いは社内SEはやめとけって本当?楽な職場ときつい職場の違いで扱っています。
求人が多すぎて、どこから見ればいいか分かりません。
数を見るより、条件で絞った数件を最後まで読むほうが比べやすくなります。たとえば銀行の業務が分かる人なら、題名か業務内容に「金融」「銀行」があり、「プライム」「元請」「直取引」のどれかが書いてある求人に絞ります。業務の知識を面接で話せて、元請けかどうかの手がかりもある求人が残ります。1 週間で 5〜10 件を、業務内容だけでなく PR ポイントと会社概要まで読むくらいが無理のない量です。
上司に聞いたら、辞めたがっていると思われませんか?
希望の形で聞けば、普通の相談として受け取られやすいと考えています。常駐先の席やチャットでは聞かず、自社の上司との面談で聞いてください。希望を出すならいつ誰に言えばよいかを一緒に聞くと、その答えから、実際に希望が通った人がいるかも分かります。
この記事の数字と声について
- 当サイトの数字は、2026 年 9 月 30 日時点で当サイト PREVIO に掲載していた SE(Web・オープン系)の求人のうち、題名が SE 系の求人を、会社単位で数えたものです。「書いている会社」は、その語がある求人を 1 件以上出している会社、「書いていない会社」は、どの求人にも書いていない会社です。割合は 5% 単位に丸めています。数えたのは求人票に書いてあるかどうかで、職場の実態ではありません。書いていないことは、無いことを意味しません。日本の SE 求人全体の数字ではなく、大手 SIer の正社員の求人が多く含まれます
- 繁忙期の残業を別に書く求人がほとんど無かったことは、残業時間を数字で書いている会社の求人を見て確かめました
- SE の仕事の流れ、年次の目安、業務の知識、納期前の働き方は、厚生労働省の job tag「システムエンジニア(受託開発)」(2026 年 10 月 9 日確認)によります。job tag は職業としての説明で、会社ごとの実態を示すものではありません。所定外労働の理由は、厚生労働省のページが引く白書の分析で、IT 業界全体の説明です
- 次のことは当サイトの見立てです
- 元請けなら変更の理由を直接聞けること
- 元請けでも下の会社への依頼と確認、資料作りが残ること
- 元請けに入った直後に任される仕事
- 中途の人が打ち合わせに出ている会社なら、機会が回ってくる見込みがあること
- 面接での春の変更の話し方
- 自社サービスの会社と情報システム部門の立場
- 次のことは当サイトの助言です。会社や相手によって受け取られ方は変わります
- いちばん嫌だった場面で 3 つに分ける考え方
- 上司への聞き方と聞く場面、社内で待っても変わりにくいという判断
- 求人の絞り方と読む件数
- 年収の比べ方
- 元請けでは実装を協力会社に任せる話、社内の異動で要件定義に関わるようになった話、上流を経験できるかの条件、客先常駐で作業をやり直した話は、働いている人が書いた個人の声です