職種の求人市場
Webデザイナーはきつい?修正と残業が多い会社の見分け方
Webデザイナーの仕事には、依頼主の要望に合わせて作り、意見を受けて直すことと、締め切りがあることが付いてきます。一方、修正の多さや、作り直しの最中にほかの案件の締め切りも重なって残業になるかは、修正を決める人や同時に抱える案件の数で会社ごとに変わります。嫌なのがデザインか会社かの見分け方と、面接での確かめ方をまとめました。
公開 2026年9月29日 · 更新 2026年10月9日 · 集計 2026年9月29日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・修正があることと締め切りがあることは仕事に付いてくる。修正の多さや、作り直しの最中にほかの締め切りが重なるかは会社で変わる
- ・余裕のある案件で作っている時間が楽しいなら、嫌なのはデザインではなく、会社の段取りのほうだと考えられる
- ・求人票では修正の回数や同時に持つ案件の数はほぼ分からないので、面接で直近の実例を聞いて見分ける
目次開く閉じる
制作会社で Web デザイナーとして 5 年働いている人がいるとします(架空の例です)。先週、公開 3 日前の夕方に、先方の部長の一言でトップページがほぼ作り直しになった。その間も、代理店経由で受けているほかの LP 2 本とバナーの締め切りは動かず、2 日続けて終電、土曜も出た。上司は「よくあること」と言うだけだった。Web デザイナーを続ける限りこうなのか、事業会社のインハウスに移れば違うのか。
修正が入ることと締め切りがあることは、Web デザイナーを続ける限り付いてきます。 依頼主の要望を聞いて作り、意見を受けて直す仕事なので、修正はどこへ移っても無くなりません。ただ、修正が「多い」かどうか、直前の作り直しとほかの案件の締め切りが同じ週にぶつかるかどうかは、会社で変わります。分かれ目は、修正を最終的に誰が決めるか、間に立つ人がいるか、同時に何本の案件を抱えるかです。
この例でいえば、公開直前に作り直しが入ること自体は、仕事に付いてくる部分です。つらさを大きくしたのは、作り直しの間もほかの締め切りが 1 本も動かなかったことと、上司が間に入らなかったことで、この 2 つは会社で変わります。そこがつらいのなら、デザイナーを辞めなくても、会社を選べば軽くできます。
修正と締め切りはどこでも付いてくる。変わるのは修正の決め方と案件の数
Web デザイナーのきつさを、何から来るかで並べるとこうなります。
| きつさのもと | 場面 | 会社を変えたら |
|---|---|---|
| 依頼主の要望で作り、意見を受けて直す | 出した案に意見が返ってくる。前の案に戻されることもある | 残る。インハウスに移っても、頼んでくる相手が社内の人に替わるだけ |
| 締め切りがある | 公開日が先に決まっていて、締め切り前に夜や休日にずれ込むことがある | 締め切りは残る。前後の残業の量は会社で変わる |
| 修正を最終的に誰が決めるか | 公開直前に、決める立場の人の一言でデザインがやり直しになる | 会社で変わる |
| 同時に抱える案件の数 | 1 本を作り直している間も、ほかの締め切りは動かない | 会社で変わる |
| 代理店の下請けかどうか | 代理店を挟むと、相手の都合で急な依頼が入りやすいという声がある | 会社で変わる |
| 見てくれる人がいるか | 誰もデザインを見ず、意見が返ってこない | 会社で変わる |
厚生労働省の job tag も、Web デザイナーを依頼者の要望を聞いてサイトの目的を明確にする仕事として説明し、締め切りが迫ったりトラブルが起きたりすると夜間や休日に仕事をすることもある、と書いています(厚生労働省 job tag「Webデザイナー(Web制作会社) - 職業詳細」、2026 年 10 月 9 日確認)。UX/UI デザイナーの説明でも、多くの関係者との共同作業で意見がぶつかることがあるとされています(「UX/UIデザイナー - 職業詳細」、同日確認)。
一方で、公開 3 日前に作り直しが入ったとき、ほかの締め切りをずらすか、誰が先方と話すかは、会社の段取りです。制作会社 2 社とインハウスで働いた人は、自分の経験から、代理店の下請けの制作会社は締め切り前の残業が多く、クライアントと直接契約する制作会社は比較的安定している、と書いています。
デザインが嫌なのか、会社が嫌なのか
いちばん嫌だったのが「直されること」そのものか、「直しが直前に来て、ほかの締め切りも動かず、上司が守ってくれなかったこと」かで分けられます。
直されること自体が嫌なら、どこへ移っても形を変えて残ります。インハウスでも、自分がいちばん見づらいと思う案が選ばれ、さらに見づらくなる修正を求められる、という相談があります。直前に来たことや守ってもらえなかったことが嫌なら、それは会社の段取りの話です。
迷ったときの目安は、締め切りに余裕がある案件を作っている時間が楽しいかどうかです。バナーを詰めている時間や、レイアウトを考えている時間がまだ好きなら、嫌になったのはデザインではなく、直前の割り込みを誰も止めない働き方のほうだと考えられます。その場合は、職種を変える前に、会社を変えるか、今の会社の段取りを変える道を先に考えてよいと思います。
インハウスでも直前の作り直しは起きる。変わるのは何か
インハウスに移っても、キャンペーンの LP の公開前日に役員が見て直せと言う、という場面は起きます。作り直す手間は制作会社と同じです。変わるのはその周りで、当サイトが大きいと考えるのは次の 2 点です。
- 決める人が同じ会社にいる。 誰が最終的に決めるのかが最初から分かっていることが多く、公開日を延ばすかどうかも、社外の都合ではなく社内の話し合いになります
- ほかのクライアントの締め切りが割り込まない。 作り直しの最中に、代理店経由で受けた別のクライアントの案件が横から締め切りを迫ってくる形はなくなります。冒頭の例の人がいちばん苦しんだのは、ここです。ただ、社内の依頼どうしが重なることはあるので、同時に何本抱えるかは移り先でも確かめておきたい点です
その代わり、制作会社ならディレクターが先方との間に立つこともありますが、インハウスでディレクターがいなければ、役員と直接向き合うのは自分です。
もうひとつ変わりうるのが、デザインを見てくれる人です。インハウスで、作って見せて「いいね」で定時に帰れる職場は居心地がよかったけれど、直す習慣も改善を回す習慣もなく、30 歳手前で先が無いと感じて辞めた、という声があります。伸びるかどうかは、デザイナーが何人いるかだけでは決まりません。作ったものに意見が返ってくるか、任される仕事に幅があるかも大事です。今の職場でデザイナー同士が作ったものを見せ合えているなら、それは今の会社の良い点で、移る先にもあるかを比べる価値があります。
別の制作会社に移る道もある
移る先はインハウスに限りません。嫌なのが直されることではなく、直前の割り込みと守ってもらえないことなら、制作会社のままでも会社を選べば変わります。
見るのは、代理店経由の案件とクライアントとの直接取引の案件の比率と、ディレクターが修正の窓口になって先方とデザイナーの間に立つかどうかです。直接取引が多く、ディレクターが間に立つ会社なら、修正の決め方と締め切りの調整を自分ひとりで抱え込みにくくなるはずです。
今の会社に残るなら、締め切りの動かし方を相談する
辞める前に、今の会社でできることもあります。つらかったと訴えるのではなく、仕事の進め方の相談として話します。たとえば、次に直前の作り直しが入ったら、ほかの LP やバナーのどれかの締め切りを動かせないか相談させてほしいと伝え、そのときは誰に言えばいいかを聞きます。
誰がどの締め切りを動かせるのかが返ってくれば、それだけで次は少し楽になります。言ったときに「よくあること」で流されても、判断するのはその場の言葉ではなく、次に直前の作り直しが来たときの動きです。そのとき締め切りを 1 本でも動かす相談に乗ってくれたなら、相談した意味はあったと言えます。次も何も変わらなければ、この会社では直前の割り込みを誰も止めない、と分かったことになり、見切る材料のひとつになります。
求人を見たり面接を受けたりするのは、辞めると決めることとは別です。上司に伝えるのと並行して始めてかまいません。ほかの会社の面接で、修正や締め切りをどう回しているかを聞くと、今の会社の「よくあること」が本当によくあることなのかを比べられます。
修正や残業が多いかは、求人票より面接で確かめる
修正が多い会社かどうかは、求人票ではほとんど見分けられません。当サイトの掲載求人では、修正が何回までかを書いた会社はありませんでした。同時に持つ案件の数を書く会社もほとんどありません。デザイナーの人数が読めるのも、約 20% の会社だけです。
面接では、方針ではなく、直近に実際にあったことを聞きます。大事な順に並べるとこうなります。
1. 直近の案件で、公開前に大きな修正が入ったとき、最終的に誰が判断して、スケジュールはどうしたか
いちばん効く問いです。どの案件で、誰が決めて、何日ずらしたかまで答えが返ってくれば、実際にあった話です。
2. デザイナー 1 人が、いま同時に持っている案件は何本か
制作会社なら、代理店経由と直接取引の案件の比率、修正の窓口がディレクターかどうかもここで聞きます。
3. 直近で公開があった月の残業は、普段の月と比べてどれくらい増えたか
4. 最近作ったデザインを誰が見て、どんな形でフィードバックがあったか
答えが、基本的にはずらす、残業はそんなに増えない、といった一般論なら、日付や案件を特定して聞き直します。そのとき、ほかの案件の締め切りはどうなったか。先月、デザイナーでいちばん遅かった日は何時だったか。それでも具体的な答えが返ってこなければ、その点は確かめられなかったと受け止めて、ほかの会社の答えと比べます。
年収はみなし残業の時間をそろえて比べる
年収は、額面だけで比べると見誤ります。当サイトの掲載求人では、みなし残業(固定残業)の時間を書く会社は約 25% で、求人からその時間を読み取れた会社の約 3 分の 2 は 40 時間以上でした。
架空の数字で言うと、30 時間込みで年 360 万円と、45 時間込みで年 400 万円は、額面で 40 万円違っても、どちらもみなしの時間いっぱいまで残業する月で比べれば、時間あたりではほとんど変わりません。額面が同じなら、45 時間込みのほうが、額面のうち残業代に当てられる分が大きく、基本給は低くなります。昇給についても、額や実績まで書く会社はほとんどないので、面接で直近の実績を聞いて確かめます。年収の目安は Webデザイナーの年収の記事 にまとめています。
よくある質問
Webデザイナーは「やめとけ」と言われるのはなぜ?
理由として挙がるのは、修正が続くこと、締め切り前の残業、給料が仕事量に見合わないこと、勉強が終わらないことです。修正があること自体が苦にならないなら、修正の決め方、残業の量、案件の数は会社で変わるので、Web デザイナーを続けたまま、会社を選んで軽くできます。
コーディングもできると、移るときに有利?
会社の種類で違います。当サイトの掲載求人では、コーディングを担当業務として書く会社は全体で約 10% ですが、求人の題名が Web デザイン・LP・バナー系の会社に限ると約 25%、UI/UX 系の会社では約 5% でした。年収に上乗せされるかは、求人票からは分かりません。デザインとコーディングの両方ができると、全部を一人で任される形にもなりうるので、どこまで担当するかは確かめておくと安心です。
ポートフォリオに今の仕事の作品を出していい?
出す前に会社に確かめるのが確実です。代理店経由の案件は、自社の判断だけでは出せないことがあります。作品の画像をそのまま出せない場合は、公開済みのサイトなら URL と自分の担当範囲を書く、クライアント名を伏せて画面をぼかし、課題と修正の経緯を文章にする、面接の場でだけ見せる、といった形があります。直前の作り直しをどう回したかを書いておくと、仕事の進め方も伝わります。
Webデザイナーの仕事は AI でなくなる?
この記事では扱いません。Webデザイナーの仕事はAI時代になくなる? で、どんな案件を頼まれるかの変化から見る方法をまとめています。
この記事の数字と声について
- 当サイトの数字は、2026 年 9 月 29 日時点で当サイト PREVIO に掲載していた Web デザイナー・UI/UX デザイナーの求人を、会社単位で数えたものです。「書いている」は、その項目を書いた求人を 1 件以上出している会社です。割合は丸めています。日本の Web デザイナーの求人全体の数字ではありません。書いていないことは、その会社に無いことを意味しません
- みなし残業の「約 3 分の 2 が 40 時間以上」は、求人からみなし残業の時間を読み取れた会社の中での割合です
- 年収の比べ方に出した 360 万円・400 万円は、計算を見せるための架空の額で、相場ではありません
- 修正、残業、代理店の下請けかどうか、見てくれる人がいるかについては、働いている人や働いていた人の体験談を個人の声として紹介しています
- デザインが嫌か会社が嫌かの目安と、制作会社の選び方は、当サイトの見立てです
- インハウスに移ったときに変わることとして挙げた点(決める人が同じ会社にいて、公開日を延ばすかが社内の話し合いになる、ほかのクライアントの締め切りが割り込まない、ディレクターがいないと自分が役員と向き合う)も、当サイトの見立てです。インハウスで直前の作り直しがどのくらい起きるかを示す資料は手元に無く、この記事では示せません
- 上司への伝え方と見切り方、面接での聞き方、ポートフォリオの出し方は、当サイトの助言です。会社や相手によって変わります