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法人営業がきついのは会社のせい?職種に残るきつさの見分け方

法人営業のきつさのうち、客と自社の間に立つ板挟み、相手の会社の中で決まること、数字の目標があること自体は、どこへ移っても付いてきます。新規の目標の付け方、未達の扱い、休日の電話は会社と顧客層で決まります。新規だけがつらいなら向き不向きより比率の問題で、転職の前に社内で切り分けられます。年収の比べ方と、面接で聞くことも大事な順にまとめました。

公開 2026年9月21日 · 更新 2026年10月9日 · 集計 2026年9月21日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること

  • ・板挟み、相手の会社の中で決まること、数字の目標があることは職種に付いてくる。目標の付け方、未達の扱い、休日の電話は会社と顧客層で決まる
  • ・既存のお客さんと話すのが嫌でなく、新規だけがつらいなら、向き不向きより新規の比率の問題
  • ・転職の前に「新規の目標は会社の方針で動かせないか」を上司に聞くと、会社の問題かどうかが分かる
目次開く
  1. 01板挟みと数字の目標は職種に付いてくる。目標の付け方や休日の電話は会社で決まる
  2. 02板挟みの重さは、謝る回数より使える手の本数で決まる
  3. 03新規がつらいのは、営業に向いていないからですか?
  4. 04休日の電話は、営業だからではなく、お客さんの業種で来る
  5. 05移ったら年収は下がる?固定残業の時間数で比べる
  6. 06転職の前に聞きたいことは 4 つ。いちばん大事なのは上司への 1 問
  7. 07よくある質問
  8. 08この記事の数字と声について

工場向けの資材を扱う専門商社で、法人営業 6 年目の人がいるとします(架空の例です)。既存の工場 30 社ほどを回ってきたのに、今期から新規開拓を個人で月 2 件と言われ、週 1 回の会議で未達を名指しされる。先月は客の急な追加発注に仕入れ先の納期が間に合わず、1 週間謝り続けた。土曜にも工場長から電話が来る。これは法人営業だからなのか、今の会社だからなのか。

このうち、客と仕入れ先の間で謝り続けた板挟みは、相手を変えてどこへ移っても残ります。 新規の目標も、目標があること自体は法人営業に付いてきます。ただ、それを個人に月 2 件で付けるか、未達を会議で名指しするか、休日に電話が来るかは、会社とお客さんの業種で決まります。

そして、既存のお客さんと話すのは嫌ではなく、つらいのが新規だけなら、それは向き不向きより「新規の比率」の問題です。比率は会社が決めるものなので、転職を考える前に、まず今の会社で動かせるかを確かめる順番がおすすめです。

板挟みと数字の目標は職種に付いてくる。目標の付け方や休日の電話は会社で決まる

法人営業でよく挙がるきつさを、場面ごとに並べるとこうなります。

きつさよくある場面会社を変えたら
客と自社の間に立つ納期・仕様・価格で客と製造部・開発部・仕入れ先の間に挟まり、間に合わなくても謝るのは営業残る。相手が変わるだけ
相手の会社の中で決まる担当者が乗り気でも上長で止まり、即決されない残る
数字の目標がある達成しても翌月はまたゼロから目標があること自体は残る。個人かチームか、重さは会社で変わる
未達を詰められる会議で名指しされる、報告のたびに不機嫌な上司会社で変わる
新規で断られる受付で止まり、1 日かけても担当者と話せない新規と既存の比率で変わる。比率は会社が決める
休日の電話土日休みのはずが、客から携帯に電話が来るお客さんの業種と、休日の窓口を誰が受けるかで変わる

厚生労働省の job tag も、法人営業は相手が会社のお金を使うので社内協議が必要で、即決できないことが多いと説明しています(job tag「営業の仕事」、2026 年 10 月 9 日確認)。相手の会社の事情に振り回されることと、客と自社の間に立つことは、法人営業という仕事に付いてきます。

一方で、新規の目標を個人に持たせるか、未達の人を会議で名指しするかは、会社の運用です。入社時に「ノルマはない」と言われたのに、実際は四半期ごとに目標があった、という声もあります。

板挟みの重さは、謝る回数より使える手の本数で決まる

板挟みはどこにでも残りますが、重さは同じではありません。違いは、謝る回数より、自分が使える手が何本あるかです。

在庫を持たずにメーカーへ発注する商社だと、仕入れ先の納期が遅れたとき、営業は頼むことしかできません。手は実質 0 本で、謝るしかなくなります。在庫を持つ商社なら、納期の問題そのものが減ります。

では自社に製造部や開発部がある会社なら楽かというと、そうとも限りません。社内なら掛け合えますが、「言えば動くはずなのに動かない」が起きます。製造部が延ばした納期を客先に頼み込んで通したのに、結局元の納期で連絡もなく出荷されていた、という声があります。開発への仕様確認、法務の契約書のチェック、承認する人の不在で見積が止まるのも、社内の話です。

IT の会社に移っても、相手が開発部に変わるだけで板挟みは残ります。移った先で楽になるかは、業界の名前より「頼れる相手と手段がどれだけあるか」で見たほうが外れません。

新規がつらいのは、営業に向いていないからですか?

既存のお客さんを回るのは苦ではなく、つらいのが新規だけなら、向いていないとは考えなくてよいと思います。新規開拓とルート営業は、同じ営業でも求められることが違うからです。job tag も、営業は新規開拓・ルート・反響・飛び込みといった営業方法で分かれると整理しています。同じ営業でも、別の仕事に近いくらい中身が違います。

反対に、条件も人間関係もよい会社にいるのに、取引先で何を話せばいいか分からない、売ること自体がつまらない、という声もあります。こちらは会社を変えても残るので、向き不向きの側です。工場長の困りごとを聞いて合う品を持っていくのが嫌でないなら、こちらには当たりません。

アポを取る係と商談する係を分けている会社に移れば楽か、というと、そこまでは言えないと当サイトは見ています。分業でも、商談する側には商談の件数や受注の目標が付くと考えておいたほうが安全です。変わるのは断られ方で、受付で門前払いされるのではなく、少なくとも話を聞く気のある相手と向き合い、検討した上で断られるはずです。詰められるかどうかは、分業かどうかより、未達をどう扱う会社かで決まります。

休日の電話は、営業だからではなく、お客さんの業種で来る

営業だから必ず休日に電話が来る、というわけではありません。工場のように土曜も動くお客さんを持てば電話は来やすく、平日に動くお客さんなら減りやすい、というのが当サイトの見立てです。

正直に書くと、休日の電話の回数を業種ごとに比べた資料は見つかりませんでした。それでも、判断の筋ははっきりしています。電話は「急ぎのときに最初にかける相手」に来ます。たとえば工具のメーカーでも、販売店を通して売る会社なら、工場からの急ぎの電話はまず販売店に行くので、メーカーの営業に休日に直接来ることは減りやすいはずです。工場に直接売るメーカーなら、今と変わりません。どちらの型かは求人票では分からないことが多いので、面接で確かめるところです。

今の会社に残る場合も、手はあります。電話を断るのではなく、中身で分けることです。ラインが止まる、明日の朝までに物が要る、という急ぎと、週明けでいい相談は別物です。「土曜は○時に一度まとめて折り返します。ラインが止まるような急ぎのときだけ電話をください」のように、出られないと言う代わりに、いつ返すかを先に約束する。これなら関係を崩さずに済む、というのが当サイトの考えです。

あわせて、休日の当番や緊急の窓口があるか、土曜に対応した分が勤務として扱われているかも会社に確かめたいところです。どちらも無いなら、それは会社が個人に任せている部分で、新規の目標と一緒に上司に出してよい材料です。

移ったら年収は下がる?固定残業の時間数で比べる

商社からメーカーへ移るなど、法人営業の中で移ったときに年収が上がるか下がるかは、比べた資料が無く言えません。工場の現場で品物がどう使われ、どこで困るかを見てきた経験は、工場向けに売る会社には話が通じやすい経験です。製品の知識は入ってから覚える前提の会社もあります。

年収で見落としやすいのは、額面より中身です。固定残業代を採る会社は、募集のときに、固定残業代を除いた基本給、何時間分でいくらか、超えた分を追加で払うことを示すことになっています(厚生労働省「労働者を募集する企業の皆様へ ~労働者の募集や求人申込みの制度が変わります~」、2026 年 9 月 21 日確認)。

当サイトの法人営業の掲載求人では、固定残業の時間数が書かれた求人のうち、いちばん多いのは 45 時間でした。今の年収が 30 時間込みで、応募先が同じ額面の 45 時間込みなら、実質は下がります。額面ではなく、基本給と固定残業の時間数を今の条件と並べて比べてください。

転職の前に聞きたいことは 4 つ。いちばん大事なのは上司への 1 問

聞くことは多くありません。大事な順に 4 つです。

1. 上司に「新規の月 2 件は、会社の方針で動かせないものですか」

いちばん効くのはこの 1 問です。いきなり「新規をやりたくない」と言うと、未達を名指しされている状況では言い訳に聞こえやすいので、既存の数字で返す形で出します。たとえば「新規はまだ形にできていません。既存のお客さんで取りこぼしている品目の提案を増やして、売上で同じ分を返す形にさせてもらえませんか」と言ってから、この 1 問を続けます。

動かせないと言われたら、その目標は上司ではなく会社が決めているということです。社内で解決するのは難しいと考えてよいと思います。その前に「新規の目標は、売上と取引先の数のどちらを見ていますか」も聞いておくと無駄がありません。取引先の数が狙いなら、既存の売上をいくら積んでも代わりにならないからです。

相談したら、待つ期間を先に区切っておくのがおすすめです。「1〜2 か月で目標の扱いが変わらなければ動く」のように決めないと、ずるずる時間だけが過ぎます。求人を見て面接を受けるところまでは、今の会社にいながら並行してできます。

2. 応募先に「売上のうち既存と新規はどれくらいですか。新規の目標は個人に付きますか。未達の月はどう扱いますか」

求人票だけでは、新規の比率はほとんど読めません。当サイトの法人営業の掲載求人で、新規開拓か既存・ルート・反響かがどこかの欄に書いてあるのは約 4 割です。「ルート営業」「既存顧客中心」は応募先を絞る手がかりにはなりますが、書いてあるのは営業の型で、比率までは書いてありません。

3. 応募先に「土日にお客様から連絡があったら、誰が受けますか。先月は何回ありましたか」

回数まで聞くのがコツです。「ほとんどありません」より、数字のほうが今の職場と比べられます。

4. 応募先に「固定残業は何時間分込みですか」

求人票に書いてあれば聞かなくて済みます。今の条件と並べて比べるための 1 問です。

すでに別の会社へ移った知り合いがいるなら、「前の会社と比べて、きつさが残っているのはどこ?」と聞くのがいちばん役に立ちます。「全然違う」の中に、何が変わらずに残ったかが見えるからです。

よくある質問

法人営業と個人営業、きついのはどっち?

きつさの種類が違います。法人営業は、相手の会社の中で決まるので即決されにくく、客と自社の間に立つ場面が多い仕事です。どちらが重いかは、新規と既存の比率や目標の持たせ方で大きく変わるので、職種の名前だけでは決まりません。

「ノルマなし」と書いてある求人なら安心ですか?

それだけでは安心できません。当サイトの法人営業の掲載求人で「ノルマ」の語が出るのは 5% 未満で、出る求人の約 8 割は「個人ノルマなし」のような「ない」側の書き方でした。それでも、入社してみたら四半期ごとに目標があった、という声があります。目標が個人に付くか、未達の月にどうなるかは、面接で聞いて確かめてください。

辞める理由で「新規が取れなかった」と思われませんか?

隠す必要はありませんが、取れなかったから辞めた、と話す必要もありません。会社の方針で個人の新規の目標が付いたこと、社内で既存の売上で返す相談もしたこと、そのうえで既存のお客さんを深く担当する仕事を続けたいこと。事実を順に話せば、言い訳には聞こえにくいはずです。既存のお客さんで何を伸ばしたかを数字で話せれば十分です。

SaaS の法人営業は楽ですか?

会社によります。お客さんが平日に動く会社なら休日の電話は減りやすいと考えられますが、数字の目標は法人営業である限り付いてくるので、数字の重さが軽くなるとまでは言えません。板挟みも、相手が開発部に変わって残ります。

この記事の数字と声について

  • 当サイトの数字は、2026 年 9 月 21 日時点で当サイト PREVIO に掲載していた法人営業の求人を、求人単位で数えたものです。会社単位ではなく、日本の求人全体の数字でもありません。新規か既存か、ノルマ、固定残業の時間数は、求人票の欄に書かれた語を拾った結果で、割合は丸めています。書いていないことは、無いことを意味しません
  • 固定残業の時間数は、時間数を取り出せた求人の中でいちばん多い値です。固定残業を採る求人の割合ではありません
  • 休日の電話が業種でどう違うか、販売店を通すメーカーで休日の電話が減るか、法人営業の中で移ったときの年収は、比べた資料が見つからず、当サイトの見立てです
  • 在庫を持つかどうかで板挟みの重さが変わること、アポと商談の分業で変わるのは断られ方で目標は残ること、工場の現場を見てきた経験が通じやすいことや製品の知識を入ってから覚える会社があることも、当サイトの見立てです
  • 板挟み、未達の扱い、入社後の目標、向いていないと感じる場面などは、働いている人の体験談をもとに個人の声として紹介しています
  • 上司への言い方、休日の電話への返し方、待つ期間の区切り方、辞める理由の話し方は、当サイトの助言です。会社や相手によって受け取られ方は変わります
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