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経営企画はつらい?会社を変えれば違うのか
経営企画のつらさには、どこへ移っても残るものと、会社で変わるものがあります。残るのは、数字の取りまとめ、事業部への催促、経営陣と現場の板挟み、そして経営陣の一言で準備が無駄になること。変わるのは、予算や資料のほかに任される仕事と、経営陣との距離です。当サイトが特に大事だと考えるのは、社長が目標を決める前に、経営企画が集めた数字が判断の材料になっているかどうかです。今の会社で試せること、面接で聞くこと、経営企画を離れる場合の行き先もまとめました。
公開 2026年9月30日 · 更新 2026年10月9日 · 集計 2026年9月30日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・数字の取りまとめ、事業部への催促、板挟み、経営陣の一言で準備が無駄になることは、経営企画を続ける限りどこでも残る
- ・会社で変わるのは、予算や資料のほかに任される仕事と、経営陣との距離。社長が目標を決める前に経営企画の数字が判断の材料になるかで、差し戻しの起きやすさが変わると当サイトは見ている
- ・準備が無駄になることのほうが重いなら、今の会社で目標を決める順番を変えられるかを試し、面接では目標を誰がいつ決めるかを聞く
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経営企画で数年働いている人を例にします(架空の例です)。今年は中期経営計画の取りまとめを任され、事業部から数字を集めて 4 か月かけて案を作りました。ところが経営会議で社長が全社の営業利益率の目標を一言で示し、案は差し戻されました。事業部に目標の積み増しを頼んで回ると、年上の部長から嫌味を言われました。経営企画なら、どこへ行ってもこうなのでしょうか。
半分はどこへ行っても同じで、半分は会社で変わります。
どこでも残るのは、数字の取りまとめ、事業部への催促で嫌われること、経営陣が決めた目標を事業部に伝えて反発との板挟みになること、そして経営陣の一言で準備が無駄になることです。経営企画は、経営陣が判断するための数字をそろえ、決まった目標を事業部に実行してもらう仕事で、決める権限は経営陣にあるからです。
会社で変わるのは、予算や資料のほかに何を任されるか(M&A、IR、社長からの特命など)と、経営陣との距離です。社長と話す回数も会社でかなり違いますが、当サイトが特に大事だと考えるのは、社長が目標を決める前に、経営企画の数字が判断の材料として使われるかどうかです。差し戻しはどの会社でも起こりえますが、どのくらい起きるかは、この点で変わります。
どこへ移っても残るのは、経営陣と事業部の間に立つ役回り
経営企画のつらさとして挙がる場面と、会社を変えたら残るかを表にしました。
| つらい場面 | どんな場面か | 会社を変えたら |
|---|---|---|
| 数字の取りまとめに追われる | 予算の編成で事業部の数字を集めて合わせ、毎月の予実の差の理由を事業部に聞いて会議資料にする | 残る。量と、ほかに何を任されるかは会社で変わる |
| 催促する側として嫌われる | 他部署の上司に提出を頼み、遅れを催促し、直しを求める | 残る。相手が変わるだけ |
| 経営陣と現場の板挟み | 経営陣が決めた高い目標を事業部に伝え、反発を受け止める | 残る |
| 準備が一言で無駄になる | 何か月もかけた資料や案が、社長や取締役会の判断で差し戻し・中止になる | どの会社でも起こりうる。頻度は、目標を決める順番で変わる |
| 担当の決まっていない仕事を任される | ほかに担当する部署が無い仕事が回ってくる | 残りやすい。何が回ってくるかは会社で違う |
| 予算と資料で 1 年が終わる | 戦略を考えるつもりで来たのに、集計と資料の更新が中心 | 会社で変わる |
| 経営陣が遠い | 決まった後に知らされて、事業部に伝えるだけになる | 会社で変わる |
少なくとも大きめの会社については、仕事の中心が似ていることを示す調査があります。日本総合研究所が上場企業と売上 100 億円以上の非上場企業の経営企画部門の責任者に聞いた調査(2015〜16 年)では、経営企画部門が主に担う業務の上位 3 つは、中期経営計画、単年度予算、特命プロジェクトでした。担当外の仕事を任されることも共通していて、役割が明文化されている部門のうち 92% が、明文化された役割のほかにも仕事を担っていました(日本総合研究所「経営企画部門の実態 874 社に聞いたアンケート調査結果」)。
催促で嫌われるのも、経営陣と事業部の間に立つ役回りだからです。Google で調べると、関連する質問に「経営企画部はなぜ嫌われることがあるのですか?」が出てきます。営業から経営企画に移った人の文章にも「他部署の上司に対して指示をするような部署にいる私は、日々「ダメ出し」をする立場。」という一文があります。頼んで、催促して、直しを求める立場にいる限り、相手が変わっても同じことは起きます。
会社で変わるのは、予算以外に任される仕事と、経営陣との距離
1 つ目は、予算と資料のほかに何を任されるかです。予算と会議資料で 1 年が終わる会社もあれば、M&A、IR、社長の特命の案件まで持つ会社もあります。どちらの会社にも、集計の仕事そのものはあります。
2 つ目が経営陣との距離です。経営陣とどのくらい話すかは、会社によってかなり違います。同じ日本総合研究所の調査では、経営トップとのやり取りは平均で週 1.8 回でしたが、毎日やり取りする部門が 14.3% ある一方、月 1 回以下の部門も 24.1% ありました。
求人票からも、この違いを少しは読み取れます。当サイトの掲載求人で経営企画の求人を出している会社のうち、社長・CEO・経営陣の直下や直轄と書くか、経営陣との距離が近いと書いている会社は約 30〜40% でした(言葉の拾い方に誤差があるため幅で示しています)。ただ、直下や直轄と書いてあっても、経営陣が経営企画の提案を聞くか、決める場に加われるかまでは、求人票では分かりません。そこは面接で確かめます。
中計が一言でひっくり返るかは、決める順番で変わる
社長が目標を決める前に経営企画の数字が使われるかどうかは、中期経営計画を作る順番に表れると当サイトは考えています。
事業部の数字を積み上げてから、最後に社長が目標を示す会社。 事業部から数字を集め、積み上げて全社の案を作り、経営会議に出す。そこで社長が初めて営業利益率の目標を示す。案はその目標に届かないので差し戻され、事業部に積み増しを頼みに回ることになります。数か月かけた案は、目標を決める材料として使われないまま差し戻されます。
先に目標の見当を付けてから、事業部に数字を頼む会社。 積み上げを始める前に、経営陣と経営企画が、今の利益率と同業の水準を見ながら、目標をどのあたりに置くかを話し合います。それから事業部に数字を頼みます。話し合うのが経営会議か、社長と経営企画の担当者の打ち合わせかは会社によりますが、どちらでも、目標を決める前に経営企画の数字が使われていれば同じです。こちらなら、集めた数字は目標を決めるために使われます。
自分の会社がどちらに近いか、たいてい見当が付くと思います。前者だとすれば、差し戻しはあなたの案の出来の問題というより、順番の問題です。
催促と、準備が無駄になること、どちらが重い?
どちらが重いかで、取る道が変わります。
催促して嫌われることがいちばんつらいなら、それは経営企画を続ける限り残ります。会社を変えても相手が変わるだけなので、経営企画から離れることも考えてよいと思います。
何か月もかけた準備が無駄になることのほうが重いなら、話は違います。それは目標を決める順番の問題で、会社によって変わりうるつらさです。たとえば営業でお客さんに無理を頼んで回るのに慣れている人なら、催促は耐えられても、こちらは重く感じるかもしれません。
なお、予算と資料ばかりで 1 年が終わる、というつらさは、両方の性質を持っています。集計の仕事があること自体はどこでも残り、予算と資料のほかに何も任されないかどうかは会社で変わります。
今の会社のままで、決める順番は変えられる?
決める順番は、会社を変えなければ変えられない、とは限りません。今の会社で試してみる価値はあります。次の予算編成が始まる前に、自分から材料を出して、社長の考える目標を先に聞いてみる手があります。
材料は 1 枚にまとめれば足ります。載せるのは、自社の過去数年の営業利益率(全社と事業部ごと)、比較先として上場している同業他社数社の営業利益率(決算短信や有価証券報告書に載っています)、そして差を埋めるなら売上と原価のどちらを動かす話になりそうか、の一言です。業界平均の数字より、社長が社名を知っている同業他社と並べるほうが話が早いはずです。これを積み上げを始める前に出して、社長の考える目標を伺います。
頼むときは、目標を先に決めてほしいと言うより、目標を決めるのは社長のままにして、話し合う時期だけを積み上げの前に移してもらうほうが受け入れられやすいと思います。社長がその場で目標の数字を出す会社なら、その前に比べる材料を渡しておく、ということです。毎月の予実の報告にも、差の説明だけでなく、その差に対して次に打てる手を一言添えていきます。
1 回断られただけで、この会社では経営企画の意見は聞かれない、と決めるのは早すぎます。見るのは、断られた回数より、社長の反応が変わるかどうかです。社長が材料を見てから数字を出すようになるか。次からは社長のほうから数字を求めてくるか。そうした変化があれば、この会社では順番を変えられます。予算編成と毎月の予実の報告でこうした働きかけを 1 年ほど続けても、最後に社長の思いつきの数字で差し戻される流れが変わらないなら、そこで見切ってよいと当サイトは考えます。
その 1 年のあいだに、並行して求人を見ておくのも悪くありません。ほかの会社の求人と比べてみないと、見切るかどうかを決めにくいからです。
面接で聞きたいのは、目標の決め方・通らなかった提案・経営会議での発言
会社を移る場合に確かめたいのは、目標を決める前に経営企画の数字が使われる会社かどうかです。聞きたいことを大事な順に 3 つ挙げます。
1. 中計や予算の目標は、どの段階で、誰と誰が話して決めていますか。経営企画はそこに入りますか
中計を作る順番を、そのまま聞く質問です。積み上げてから最後に決めるのか、先に見当を付けるのかが、答えに出ます。
2. 直近で、経営企画の提案が通らなかった例と、その理由を教えてください
見るのは答えの具体性です。いつのどの案件で、なぜ通らなかったのかを話してもらえれば、提案が議論の対象になっている会社です。時期も案件も出てこず、全員で議論してよりよい形にまとまった、という程度の答えなら、いつ頃のどの案件でしたか、と一度だけ聞き直してください。それでも具体例が出てこなければ、提案が通るかどうか以前に、経営企画が議論に加わっていない可能性があります。
3. 経営会議には経営企画の担当者も出て発言しますか。それとも資料の用意と議事録までですか
求人票にある直下という書き方が、社長に報告する立場というだけなのか、議論に加わる立場なのかが分かります。
経営企画を離れるなら、事業企画・経理・事業部の管理部門
催促で嫌われることそのものがつらい場合や、今の会社で順番を変えられるかを試したうえで離れると決めた場合は、予算と予実の経験をそのまま使える行き先があります。社外に移る道と、社内で移る道があります。
- 事業企画: 事業部の中で、その事業の計画・予算・数字の分析を持つ役です。経営企画と名前は似ていますが、求人では別の職種として出ています。立場としては経営企画から数字を求められる側になりますが、目標を決めるのが経営陣である点は同じなので、面接の質問 1 は事業企画でも使えます
- 経理(管理会計の側): 予算・予実・管理会計は経理の仕事と重なります。決算が中心の会社もあるので、管理会計を持つかは求人と面接で確かめます
- 事業部の管理部門: 事業部の側で予算を取りまとめる担当です。今の会社の中で異動すれば、会社に残ったまま担当だけを変えられます
よくある質問
経営企画の年収は、会社を移ると上がりますか?
会社を移って経営企画の年収が上がるか下がるかを示す資料は手元に無く、この記事では示せません。応募先の提示額を今の条件と並べて判断してください。
予算や中計の取りまとめが中心の経験は、転職で評価されますか?
採用する側がどう評価するかを示す資料は手元に無く、ここでは言えません。言えるのは、中期経営計画と単年度予算が、上の調査で経営企画の主な業務の上位 3 つに入っていたことです。中計を取りまとめたことがあれば、それは毎月の予実の集計とは別の経験として話せます。
経営企画は「何でも屋」ですか?
上の調査の対象の会社では、役割が明文化されている部門のうち 92% が、明文化された役割のほかにも仕事を担っていました。少なくともその規模の会社では、役割が広いことは共通しています。何が回ってくるかは会社で違います。
暇すぎてつらい、という声もありますが?
あります。定例の仕事のほかに案件が無い時期は、上から指示が来ず、月末の会議資料だけで手が空く、という声です。暇な時期と忙しい時期の差は、会社とその時の案件で変わります。
この記事の数字と声について
- 当サイトの数字は、2026 年 9 月 30 日時点で当サイト PREVIO に掲載していた経営企画・経営戦略の求人のうち、求人のタイトルから経営企画の仕事と分かるものを、会社単位で数えたものです。直下・直轄・距離が近いと書いているかは、仕事内容などの欄にその言葉があるかを機械的に調べ、一部を目で見て確かめた結果です。部署の報告先として書いたものと、社長との距離の近さを売りとして書いたものが混じるため、幅で示しています。日本の経営企画の求人全体の数字ではありません。求人票に書いていなくても、直下にないとは限りません
- 日本総合研究所の数字は、2015 年 12 月〜2016 年 1 月に、上場企業と売上 100 億円以上の非上場企業の経営企画部門の責任者が答えた調査です(回収率 12%)。スタートアップや中小企業には当てはめていません
- 催促で嫌われる、板挟み、準備が無駄になる、暇すぎるといった場面は、働いている人の体験談と転職情報の記事をもとに、個人の声として紹介しています
- 次の点は当サイトの見立てと助言で、会社や相手によって当てはまらないことがあります
- 社長が目標を決める前に経営企画の数字が使われるかで会社が分かれ、積み上げてから最後に社長が目標を示す会社と、先に見当を付ける会社がある、という見方
- 催促で嫌われるのがいちばんつらいなら、経営企画から離れることも考えてよい、という判断
- 今の会社で 1 枚の材料を出す手と、その頼み方
- 見切りの目安を 1 年とすること
- 面接の質問と、答えの見分け方
- 離れる場合の行き先