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広報はきつい?掲載件数だけで評価される会社の見分け方
広報は、成果が出るまで時間がかかり、出ても測りにくい仕事です。社内に取材を頼んで回ることや炎上の対応も、どの会社に移っても付いてきます。一方、広報を何人で回すか、目標を誰が決めて何で評価するか、経営者が広報をどう見ているかは会社によって違います。掲載件数だけで評価する会社かどうかは求人票にほとんど書かれていないため、面接で直近の出来事を聞いて確かめます。辞める前に今の会社でできることもまとめました。
公開 2026年9月29日 · 更新 2026年10月9日 · 集計 2026年9月29日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・成果が出るまで時間がかかり測りにくいこと、社内に頼んで回ること、炎上の対応は、広報を続ける限り付いてくる。人数、目標の決め方と評価、経営者の広報の見方は会社によって違う
- ・掲載件数を目標に入れること自体は自然。苦しいのは、件数を社長や上司が決め、なぜその数なのか説明がなく、掲載以外を見ず、届かなければそのまま低い評価になる会社
- ・評価のされ方は求人票にほとんど書かれていない。面接で前任者が何で評価されたか、直近の発表や炎上の週末に誰が動いたかを聞く
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事業会社でひとりで広報を担当している人がいるとします(架空の例です)。上司は広報の経験がありません。夜 10 時に社長から、明日の朝に出したい提携のリリースを頼まれて日付が変わるまで対応した。顧客の投稿が広がって、週末の 2 日間、社内に事実を確かめながらお詫びの文面を書き直した。それでも評価面談では、期初に決めた掲載件数の目標に届いていないと言われ、評価は低かった。このしんどさは、広報という仕事そのものから来るのか、今の会社から来るのか。
広報はきつい仕事です。ただ、そのきつさには、広報を続ける限りついて回るものと、会社によって違うものがあります。 広報は、成果が出るまで時間がかかり、出ても売上や採用にどう効いたかを測りにくい仕事です。そのため社内からは、何をしているのか分からないと思われやすい。それでも取材や情報を社内の人に頼んで回り、炎上が起きれば対応します。このあたりは、どの会社の広報に移っても残ります。
会社によって違うのは、広報を何人で回すか、目標を誰がどう決めて何で評価するか、経営者が広報をどう見ているかです。掲載件数の目標でつらいなら、問題は件数そのものより、その件数の決め方と評価のされ方にあります。
夜のリリース依頼や炎上の週末のうち、会社で変わるのはどこか
冒頭の場面で言うと、次のとおりです。
| 場面 | どの会社でも残ること | 会社によって違うこと |
|---|---|---|
| 夜に翌朝のリリースを頼まれる | 発表の前後に急ぎの対応が入ること | 前夜に頼まれるか、誰がいつ発表を決めるか |
| 炎上で週末がつぶれる | 炎上や不祥事の対応に回ること | 頻度、誰が判断するか、週末に何人で動くか |
| 掲載件数の目標に届かない | 掲載は記者が決め、出るまで時間がかかること | 件数を誰がどう決めたか、掲載のほかを見るか |
| 仕事が見えないと言われる | 成果が遅く、売上や採用への効き方を測りにくいこと | 上司や経営者がどこまで広報を分かっているか |
| 社内に取材や情報を頼んで回る | 社内の人に頼み、説明すること | 頼んだときの協力の得やすさ |
厚生労働省の job tag も、取材や会見の社内対応者へのレクチャーや、不祥事などの際の危機管理としての広報を、広報の仕事の中身として挙げています。社内外への不定期な対応があり、他部門と比べると残業が多い、とも書いています(「広報・PR担当 - 職業詳細」、2026 年 10 月 9 日確認)。炎上の対応は雑務ではなく、広報の本来の仕事です。
一方で、夜 10 時に翌朝の発表を頼まれるかどうかは、経営者が広報をどう扱っているかで決まります。前日に「明日このプレスリリース配信したいんだけど……」と頼まれる、「ちょっとPRでこれ話題化させちゃってよ」と言われる、という声もあります。こちらは会社によって違います。
掲載件数の目標は、誰がどう決めたかできつさが変わる
掲載は、広報が自分の力だけでは増やせない成果です。リリースを書き、記者に連絡し、会いに行くようになってから、テレビや新聞に取り上げられるまで半年かかることもある、記者と関係を作るのに時間がかかるため、という声があります。その間は、動いていても掲載がゼロの期間が続きます。
そこに、社長や上司が決めた件数の目標が重なると苦しくなります。PR の相談を受けている人は、「テレビを年に5本取る」「日経に絶対載る」のような目標を社長から言われて断れず、届かずにつらいという相談が来る、と話しています。広報の目標と、それを何で測るかが決まらず、社内で共有されていないことがしんどさの要因の一つだ、と書く PR の専門家もいます。
掲載は広報のいちばん分かりやすい成果なので、掲載件数を目標に入れること自体はおかしくありません。苦しくなるのは、次の 3 つが重なったときです。
- 件数を社長や上司が決め、なぜその数なのか説明がない
- 掲載のほかの仕事(急ぎの発表、炎上対応、取材の調整)は評価に入らない
- 届かなければ、そのまま低い評価になる
この 3 つが揃っているのが、掲載件数だけで評価する会社です。そういう会社では、掲載以外にどれだけ動いても、評価の場で説明する材料になりません。半期で何件なら普通かという目安は手元に無く、ここでは言えません。まず確かめたいのは、その件数がどう決まったかです。
1 人広報がきついのは、相談相手がいないこと
1 人で回すと、相談相手がいないまま全部を自分で決めることになります。会社で初めての広報として入った人は、教えてくれる上司がいないと書き、兼任のひとり広報を 2 年半続けた人は「全部自己流」だったと振り返っています。job tag は、広報の部員数は一般的に数人程度で、専従を置かずほかの部署と兼任で広報をする会社もある、と書いています。
相談相手の有無は、人数が増えれば変わりやすいところです。一方で、2〜3 人いれば夜の依頼や週末の炎上を分け合えるかは、誰が何を受け持ち、誰が判断するかで決まります。不定期な対応で残業が多くなりやすいことは job tag も書いていて、こちらは職種に付いてくる部分です。
辞める前に、今の会社で評価の見方を変えてもらう方法もある
辞める前に、今の会社で目標と評価の見方を変えてもらえないか、話してみる手もあります。営業から広報に移った人なら、営業のファネルと同じ並べ方をすると、数字で話す上司にも通じやすくなります。リリースの本数、記者への個別の連絡、返事があった件数、取材、掲載を順に並べ、半期の実数を入れます。アポ、商談、受注を並べるのと同じです。掲載が少なかった半期でも、掲載に至るまでの各段階で何件あったかを示せます。
記者への連絡は、一斉配信ではなく、1 人の記者に 1 つのネタで送ったメールや電話を 1 件と数えます。そのうち返事があったものを別に数えると、営業のコール数とアポ数の関係に近くなります。決まった数え方はないので、どう数えたかも添えて出します。過去の分は、送信済みのメールやカレンダーの取材予定から拾えば、おおよその数は出せます。
掲載につながらない仕事は、ファネルとは別に書き出します。急ぎのリリース対応が何回あり、そのうち夜間が何回か。炎上対応が何件あり、週末を何日使ったか。件数と時間で並べれば、何をしているのか見えないという声への答えになります。
経営者に仕事が見えていないなら、半期の面談でまとめて出すのを待たず、月に 1 回、数行の報告を送るほうが伝わります。書くのは次の 4 つです。
- 今月の数字(リリース、個別の連絡、返事、取材、掲載)
- その月にいちばん意味があった 1 件と、その後に起きたこと
- 掲載につながらなかった対応
- 来月やることと、社内へのお願い
2 つ目は盛らずに、営業が商談で使ったと聞いた、のように実際に起きたことだけを書きます。宛先に経営者を入れるなら、先に上司に相談しておけば、頭越しにはなりません。
結果は、次の評価を待たなくても 1〜2 か月で見えてきます。目標や評価の見方を変えると言われたか、月 1 回の報告に反応があるか。どちらも動かなければ、移る理由としては十分です。求人を見るのは、今の仕事と並行で始められます。
掲載件数だけで評価するかどうかは、求人票にほとんど書かれていない
別の会社で広報を続けるなら、求人票で分かるのは主に担当範囲です。今のつらさに関わる、広報の人数と評価のされ方は、ほとんど書いてありません。
当サイトの掲載求人では、広報を何人で回すかをどの求人にも書いていない会社が約 85% でした。広報担当がどう評価されるかを書く会社は、見つけた範囲ではありませんでした。KPI や効果測定、掲載数などを業務に書く会社は約 20% で、反対に掲載量を追わないと書く求人もありました。測り方は会社によって違いますが、それが求人票に出てくることは少ない、ということです。
そのため、掲載件数だけで評価する会社かどうかは、面接で確かめることになります。
面接で確かめたいのは、評価・分担・目標の決め方・相談相手
方針を聞くと良い答えが返ってきやすいので、実際にあったことを聞きます。今のつらさにいちばん近い、評価のされ方から順に並べました。
1.「前任の広報の方は、何で評価されていましたか」
評価のされ方がそのまま分かる質問です。「掲載数です」と返ってきても、それだけで避ける理由にはなりません。続けて「その件数は誰がどう決めましたか」「届かなかった半期は、どう評価されましたか」「掲載のほかに見ている数字はありますか」と聞きます。件数を社長や上司が決め、なぜその数なのか説明がなく、届かなければそのまま低い評価で、ほかは見ていないなら、今の会社と同じ評価のされ方です。
2.「直近の発表や炎上のとき、週末に誰と誰が動きましたか」
在籍の人数では分からない、実際の分担が分かります。名前が 1 人しか出なければ、何人在籍していても夜と週末はその人に来ます。
3.「広報の今期の目標は、誰が決めましたか」
経営者が広報をどう見ているかは求人票では読めません。目標を広報の担当と経営者が話して決めたのか、経営者や上司が一方的に決めたのかで、ある程度うかがえます。
4.「広報は何人で回していて、相談できる人は誰ですか」
上司が広報の出身か、外部の PR 会社を使っているかで、1 人でも相談相手がいるかが変わります。
よくある質問
半期で掲載 4 件は少ないですか?
何件なら普通かは、この記事では示せません。掲載は記者や媒体の都合でも動き、出るまで時間がかかることもあります。自分の評価が妥当かを考えるなら、その目標が誰の判断でどう決まったかを確かめるのが先です。
営業に戻ったほうがいいですか?
営業に戻れば、成果が遅く測りにくいというきつさは減りますが、数字に追われるきつさに替わります。どちらのきつさなら続けられそうかで選ぶことになります。年収がどう変わるかを示す数字は手元に無く、ここでは言えません。広報で自社のことを社外に向けて言葉にしてきたことや、記者・社内との調整、炎上対応の経験は、営業の面接でも話の材料になります。今の会社で営業に戻れないか、社内で聞いてみる手もあります。
1 人広報の求人は最初から外したほうがいいですか?
外す必要はありません。何人で回すかを書かない会社が大半なので、求人票の段階で 1 人広報の求人だけを除くことは、ほとんどできません。確かめたいのは、目標の決め方と評価のされ方、相談できる人がいるか、週末に誰が動いているかです。担当範囲を広げたくないなら、題名にマーケティングや IR など別の仕事が並ぶ求人は外せます。当サイトの掲載求人では、そうした求人を出す会社が約 20% です。本文にだけ書かれた SNS や社内広報の担当までは、題名では外せません。
炎上対応は広報の仕事ですか?
はい。job tag も、不祥事などの際の危機管理としての広報を仕事の中身として挙げています。どの会社に移っても担当することになります。違いが出るのは、起きる頻度と、誰が判断し、何人で対応するかです。
この記事の数字と声について
- 当サイトの数字は、2026 年 9 月 29 日時点で当サイト PREVIO に掲載していた広報・PR の求人のうち、題名が広報のものを会社単位で数えました(その区分に当たる求人を 1 件以上出す会社、書いていないはどの求人にも書いていない会社)。日本の広報の求人全体の数字ではありません。求人票にその語が書かれているかで数え、区分ごとに拾った求人を目で確かめて数え方を直した結果で、割合は 5% 単位に丸めています。書いていないことは、無いことを意味しません
- 広報の仕事の中身、部員数、残業、危機管理は、厚生労働省の job tag「広報・PR担当」(2026 年 10 月 9 日確認)によります。残業が他部門と比べて何時間多いかは書かれていません
- 掲載されるまでの期間、経営者からの直前の依頼、社長から言われて断れない掲載目標、1 人広報で教えてくれる上司がいないことや全部が自己流になることは、広報の経験者や PR の相談役の記事・発言、働いている人の投稿をもとに、個人の声として紹介しています
- 次の点は当サイトの見立てです
- 掲載件数の目標を社長や上司が決め、なぜその数なのか説明がなく、掲載以外を見ず、届かなければそのまま低い評価になる会社を「掲載件数だけで評価する会社」とした見方
- きつさを、どの会社でも残るものと会社によって違うものに分けた判定
- 掲載件数を目標に入れること自体は自然という判断
- 相談相手の有無は、人数が増えれば変わりやすいという考え
- 人数が多くても、夜と週末の分担は誰が判断するかで変わるという考え
- 次の点は当サイトの助言です。決まった型があるわけではなく、会社や相手によって受け取られ方は変わります
- ファネルで並べる見せ方と、記者への連絡を 2 段に分ける数え方
- 掲載につながらない仕事を別に書き出すこと
- 月 1 回の報告の中身と送り方
- 1〜2 か月で判断する目安
- 営業に戻るときに広報の経験をどう話すか