職種の求人市場

マーケティングリサーチャーはきつい?事業会社に移れば楽になるのか

調査会社のリサーチャーは、年度末に案件が重なると土曜出勤が続くことがあります。事業会社に移っても、期限を決めるのも、調べた結果を使うかどうかを決めるのも依頼主で、その依頼主が社外の会社から社内の部署に変わるだけ、と当サイトは見ています。求人票で担当範囲を見分ける方法、今の会社に負担の軽減を頼む方法、面接で聞く質問もまとめました。

公開 2026年9月30日 · 更新 2026年10月9日 · 集計 2026年9月30日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること

  • ・事業会社に移っても、期限や、結果を使うかどうかを決めるのは依頼主で、それが社内の事業部に変わる、と当サイトは見ている
  • ・1 人が同時に持つ案件の数や、営業が日程をどこまで約束してくるかは会社によって違うはず。求人票では、1 つの案件で自分が受け持つ範囲の書き方を見る
  • ・辞める前に、次の担当を決める面談で、今年の年度末の状況と来年のお願いを上司に伝える方法もある
目次開く
  1. 01会社を変えても残るきつさ、変わりうるきつさ
  2. 02事業会社に移っても、依頼主がいることは変わらない
  3. 03事業会社の「調査会社の選定・ディレクション」は、外に出す範囲が会社で違う
  4. 04求人票から年度末の忙しさは分からない。担当範囲の書き方なら分かる
  5. 05「調べたのに使われない」は、事業会社でも起きる
  6. 06辞める前に、今の会社で負担を減らしてもらうよう頼む手もある
  7. 07面接で聞くなら、まずこの 2 つ
  8. 08よくある質問
  9. 09この記事の数字と声について

ネットリサーチ会社で定量調査を担当し、グループインタビューにも立ち会うリサーチャーがいるとします(架空の例です)。年度末に案件が重なり、営業が依頼主と約束した報告会の日に間に合わせるため、土曜もインタビューの立ち会いと集計のチェックに出た。半年かけたブランド調査では、報告会で依頼主から、方向性は社内でもう決まっていると言われ、報告書はほとんど開かれずに終わった。これは今の会社がきついだけなのか、リサーチャーを続ける限りずっとこうなのか。事業会社のリサーチ担当に移れば楽になるのか。

事業会社に移っても、期限も、調べた結果を使うかどうかも、決めるのは相手のまま、と当サイトは見ています。 依頼主が社内の事業部に変わっても、その部署の会議や予算の時期が締切になるからです。変わりうるのは、事業部の締切から逆算して、調査会社に日程を出す側になることと、土曜のインタビューに自分が立ち会うか、調査会社に任せるかを選べることです。

一方、受託のままでも、1 人が同時に持つ案件の数や、営業が日程をどこまで約束してくるかは、会社によって違います。

会社を変えても残るきつさ、変わりうるきつさ

リサーチャーのきつさとして挙がるものを、場面ごとに並べるとこうなります。

きつさ場面会社を変えたら
期限を相手が決める報告会の日が依頼主の新商品の計画や予算の時期に合わせて先に決まり、こちらの都合では動かない残る。事業会社では社内の会議が締切になる
対象者の都合に合わせる働く人へのインタビューは夜や週末に入り、その日は立ち会う残る。自分が立ち会うかは会社次第
数字 1 つの誤りの影響が大きい集計表の取り違えが 1 か所でも、依頼主の判断を誤らせる残る。チェックを何人でするかは会社次第
使うかを相手が決める半年の調査が、結論はもう決まっていると言われて終わる残る
同時に持つ案件の数年度末に案件が重なり、週末も出る会社次第
営業が決めた日程に合わせる営業が依頼主と約束した日程を、そのまま渡される会社次第
全部を 1 人で持つ企画・調査票・集計・報告書まで 1 本ごとに 1 人で抱える会社次第

厚生労働省の job tag も、マーケティング・リサーチャーについて「調査を実施する段階では調査対象者のスケジュールに合わせる必要があったり、発注先に提示したスケジュールに合わせるため、残業や休日出勤などが必要になる場合もある」と書いています(「マーケティング・リサーチャー - 職業詳細」、2026 年 10 月 9 日確認)。

一方で、口コミサイトには、担当する案件の本数が多くて残業も休日出勤も多く、振替休日もなかなか取れなかった、営業が無理な約束をしたままリサーチャーに渡してくる、といった書き込みがあります。どれも特定の会社について書かれたものです。年度末に案件が集まること自体は、依頼主の予算や計画の時期に合わせたものです。ただ、それを 1 人に何本持たせるか、営業がどこまで日程を約束してくるかは、会社ごとの運用で違ってくるはずです。

事業会社に移っても、依頼主がいることは変わらない

事業会社のリサーチ担当にも、依頼主はいます。社内の事業部や商品企画の部署です。job tag も、勤務先にマーケティング・リサーチ会社と並べて企業のマーケティング部門を挙げています。事業会社の求人にも、商品やサービスの企画を担当する部署と直接連携する、と書くものがあります。期限は、その部署の会議や予算の時期で決まるはずです。

今は、営業が依頼主と決めた日程に合わせて動いています。事業会社では、事業部の締切から逆算して、調査会社に日程を出す側に回ることがあります。土曜のインタビューに自分が立ち会うか、調査会社に任せるかも、選べるようになりえます。

ただ、事業部と調査会社の間に立つので、事業部に急かされながら調査会社を急かす場面はありえます。楽になるかどうかは、事業部から急な依頼がどれだけ来るかで変わるはずです。

事業会社の「調査会社の選定・ディレクション」は、外に出す範囲が会社で違う

当サイトの掲載求人では、事業会社のうち約 35% が、調査会社へのディレクションや選定を仕事に挙げています(2026 年 9 月 30 日時点、会社単位)。ただ、この数字は、中身の違う次の 2 種類を分けずに数えています。

  • 実査(アンケートの配信や回収、インタビューの実施)だけを外に出し、調査票の設計や集計・分析は自社で行う会社
  • 調査を丸ごと外に出し、調査会社が作った調査票や集計表、報告書を確かめる会社

前者なら、設計や集計の手を動かす仕事は残ります。後者なら、調査票は調査会社が作った案に手を入れ、集計表は調査会社から受け取って確かめることになります。手を動かすのが好きでリサーチャーを続けてきた人にとっては、別の仕事に近くなります。

見分けるには、その求人の業務内容の欄に、調査票の設計や集計・分析が自分の仕事として並んでいるかを見ます。外部の調査会社と調整するのは実査の部分だけ、と範囲を書いた求人もあります。「選定・ディレクション」とだけ書いてあっても、全部を外に出す会社とは決められません。

求人票から年度末の忙しさは分からない。担当範囲の書き方なら分かる

年度末にどれだけ重なるかは、求人票ではほぼ分かりません。当サイトの掲載求人では、繁忙期について書く会社は 5% ほどで、どの求人にも残業時間を書いていない会社が約 50% でした(いずれも会社単位)。並行する案件の数を書く会社は、ほとんどありません。

代わりに分かるのが、1 つの案件のうち自分が受け持つ範囲です。調査会社(受託)の求人には、たとえば「※データの集計や分析は別の部署が担当します」と書くものと、「顧客対応から調査企画・設計、実査管理、分析・レポート作成、報告会まで一通りの業務をお任せします」と書くものがあります。受託の会社に絞ると、集計や実査などを別の部署が持つと書く会社が約 40%、企画から報告まで一通り担当と書く会社が 50% でした。

後者は、1 本ごとに今と同じ量の作業を 1 人で持つ書き方です。今の会社の求人が企画から報告会まで一貫して担当する書き方だったなら、同じ型の会社に移っても、案件の数が減らない限り年度末の忙しさはあまり変わりません。前者なら、同じ本数でも 1 本あたりの作業は少なくなります。同じ会社でも、職種名によって担当範囲が分かれていることがあるので、気になる会社は別の職種の求人も並べて見てください。

「調べたのに使われない」は、事業会社でも起きる

事業会社に移れば、調査が意思決定に使われやすくなるとは言えません。UX リサーチという隣の職種の例ですが、リサーチを請け負う会社から事業会社に移った人が、こう書いています。1 か月かけたリサーチの報告会では皆が頷いたのに、1 か月後の会議ではもう誰も触れなかった、と。受託の側でも、半年かけた調査の後に方向性はもう決まっていると言われた、という声があります。その人は、成果がどう使われるかは相手の判断で変わり、それは避けようがないと書いています。

ただ、依頼主の中で結論がもう決まっている案件かどうかは、調査を始める前にある程度分かります。キックオフで、結果がどう出たら判断が変わりますか、と聞くことです。はっきりした答えが返らなければ、すでにある結論の裏付けを取るための調査かもしれないと構えておけます。これは転職とは関係なく、次の案件から使えます。

辞める前に、今の会社で負担を減らしてもらうよう頼む手もある

案件の数が営業の受ける量で決まる以上、年度末の本数を減らしたいとだけ頼んでも動きにくいと思います。頼むなら、具体的なお願いにします。時期は、年度末が過ぎて出来事をまだよく覚えているうちか、次の担当や体制を決める面談がよいと当サイトは考えます。そのほうが具体的に話せるからです。

話すときは、今年の年度末に起きたことと、来年のお願いをセットにします。同時に何本を持ったか、土曜に何回出たか、その間にミスが出たならそれも伝えたうえで、来年は集計のチェックにもう 1 人入ってもらうことや、土曜に立ち会った翌週に代休を取ることをお願いする、という形です。ミスの件を入れておくと、個人の都合だけでなく、品質の話としても聞いてもらいやすくなります。

社内に集計の専門チームや担当範囲の違う職種があるなら、そこへ移ることも選択肢です。

上司からの返事をいつまで待つかも、先に決めておきます。たとえば、夏までにはっきりしなければ応募に移る、と決めておくと、返事待ちのまま次の年度末を迎えることを避けやすくなります。

面接で聞くなら、まずこの 2 つ

聞きたいことは多くても、1 回の面接で聞けることは限られます。年度末の土曜出勤を避けたいのが一番の理由なら、次の 2 つです。

1. 直近の年度末に、1 人が同時に持っていた案件は何本でしたか。そのうち集計や実査は、どの部署が担当しましたか

本数だけでは比べられません。5〜6 本と言われても、集計を別の部署が持つ形なら今より軽いかもしれず、営業まで兼ねる形なら重くなりえます。事業会社なら、調査票の設計、集計、分析、報告書のうち社内で手を動かすのはどこまでか、と聞けば、「調査会社の選定・ディレクション」の節で挙げた 2 種類のどちらかが分かります。

2. 直近で土曜にインタビューが入った時、担当の方は翌週に代休を取れましたか

土曜に仕事が入るかどうかと、入った時に代わりの休みが取れるかが一度に分かります。当サイトの掲載求人で、夜間や休日にインタビューをした後の午後出社や振休まで書いている会社は、ほとんどありません。

報告会の日程を誰が決めるか、集計のチェックを何段階でするか、調査の結果で変わった施策の例は、2 次面接や内定後の面談に回して構いません。

よくある質問

年収は上がりますか、下がりますか?

当サイトではマーケティングリサーチャーの年収を集計していないため、どちらに動くかは言えません。提示額が出たら、年度末の本数や土曜出勤の有無と並べて比べるのが現実的です。土曜出勤が無くなるなら、その額でも納得できるかを考えます。

同時に何本までなら「まし」と言えますか?

目安になる数字は、この記事では示せません。当サイトの掲載求人で本数を書く会社はほとんど無く、書いてあった例も「5~15案件を並行して担当」と幅の広いものでした。比べるなら、面接で聞く 1 つ目の質問の答えを並べるのが近道です。

事業部と直接やり取りした経験が無いと、事業会社では不利ですか?

不利になるかどうかは、この記事では言えません。面接で聞かれることはありえます。そのときは、依頼主の担当者と要望を詰めた打ち合わせや、期待どおりでなかった結果を説明した報告会の話ができます。どちらも、相手の要望を聞き、結果を伝えるやり取りです。job tag がこの仕事に要る力として挙げているのも、報告の文章能力やプレゼンテーション能力、担当業界の知識で、中途採用では実務経験を生かした転職も見られるとしています。こうした場面を具体的に話せるようにしておくとよいと思います。

集計表の取り違えのような失敗は、転職先でも起きますか?

同じ本数で、同じようにチェックまで 1 人で持つなら、起きやすさはあまり変わらないはずです。違いが出るのは、チェックを誰が何段階でするかです。面接で失敗について聞かれたら、何が起きて、どう対応し、その後に何を変えたかを短く話せば足ります。

この記事の数字と声について

  • 当サイトの数字は、2026 年 9 月 30 日時点で当サイト PREVIO に掲載していたマーケティングリサーチの求人を、会社単位で数えたものです(書いてある=当てはまる求人を 1 件以上出している会社)。調査会社(受託)か事業会社かは目で見て分け、割合はそれぞれの中で出して丸めています。掲載している会社が少なく、1 社で割合が数ポイント動くので、おおまかな傾向として読んでください。日本の求人全体の数字ではありません。求人票に書いていなくても、その制度や働き方が無いとは限りません
  • 事業会社の約 35% は、実査だけを外に出す会社と全部を外に出す会社を分けて数えていません
  • 年収は集計していません
  • 案件の多さ、営業の約束の仕方、使われない調査、成果がどう使われるかは相手の判断で変わるという見方は、働いている人の体験談から個人の声として紹介しています。UX リサーチの例は、マーケティングリサーチャーとは職種が違います
  • 次の点は当サイトの見立てです
    • 事業会社に移っても期限を相手が決めること(job tag の記述は調査会社の側から書かれています)
    • 1 人が持つ案件の数や営業の日程の約束の仕方が会社で違うこと(特定の会社についての声から見たもの)
    • 事業部の急な依頼の多さで楽になるかが変わること、事業会社で調査会社に日程を出す側に回ったり、立ち会いを任せたりできること
    • 年度末に案件が集まるのが依頼主の予算や計画の時期に合わせたものであること
    • 外に出す範囲で事業会社の仕事がどう変わるか、担当範囲の書き方と 1 本あたりの作業の量の関係
    • 失敗の起きやすさとチェックの関係
    • 事業部とのやり取りの経験が面接で聞かれうることと、依頼主とのやり取りの経験がその答えの材料になること
  • 次の点は当サイトの助言です。会社や相手によって受け取られ方は変わります
    • キックオフでの聞き方
    • 上司に頼む時期と頼み方、ミスの件を入れる理由、返事を待つ期限
    • 面接で聞く質問とその順番、失敗の話し方
あなたの経歴、最高でいくら?確かめる