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プロダクトマネージャーはつらい?会社を変えれば楽になるのか
プロダクトマネージャー(PdM)が誰かの要望を後回しにすると決めてその責任を負うことと、決めたことが正しかったかが数か月たたないと分からないことは、どこの会社でも同じです。会社で変わるのは、優先順位を最後に誰が決めるか、会議と進行管理を誰が担うか、相談できる相手がいるか、何で評価されるかです。今の会社で試せることと、求人票・面接で確かめるところも書きました。
公開 2026年9月29日 · 更新 2026年10月9日 · 集計 2026年9月28日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・要望を後回しにすると決めてその責任を負うことと、結果が数か月後まで分からないことは、どこの PdM にも付いてくる
- ・会議と進行管理で一日が終わること、1 人で抱えること、判断が PdM 個人のせいにされることは、会社の仕組みや決める前の進め方で変わりうる
- ・会社ごとの違いは求人票ではほとんど読めないので、面接では直近の 1 件について、誰がどの場で決めたかを聞く
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営業部長が、大口顧客のための機能を来月の契約更新までに作ってほしいと持ってくる。開発リードは、先に基盤を直さないと次が作れないと言う。基盤の改修を先にしたら、その顧客は契約を更新せず、営業会議で「PdM が止めた案件」と名指しされた。同じ時期に経営からは、この半年で何が良くなったのか分からない、と言われた。会議と進行管理で一日が終わり、ユーザーに会う時間もない(架空の例です)。
この状態がつらいのは、PdM という仕事のせいなのか、今の会社のせいなのか。冒頭の例には、その両方が混ざっています。
どこの PdM にも付いてくるのは、誰かの要望を後回しにすると決め、その責任を自分が負うことと、その決定が正しかったかが数か月たたないと分からず、それまで評価される機会が無いことです。基盤を優先して営業の案件が後ろに回る場面は、会社を移っても起きます。
会社によって変わるのは、優先順位を最後に誰が決めるか、会議と進行管理を誰が担うか、相談できる PdM がほかにいるか、何で評価されるかです。会社を変えて軽くなるのはこちらで、先の 2 つは会社を移っても残ります。
つらさの元が仕事か会社かは、2 つの働き方を比べると見当がつく
つらさの元が仕事と会社のどちらにあるのか分からないなら、次の 2 つのどちらなら続けられそうかを考えてみてください。
- A: 会議が半分になり、毎月ユーザーに会える。ただし評価は今と同じで、結果が出る数か月後まで待つ
- B: 会議漬けのまま。ただし毎四半期、自分の成果を数字で言える
A なら、つらさの中心は会社の体制(誰が決め、誰が進行管理を持つか)にあり、PdM のまま会社や働き方を変える余地があります。B に強く惹かれるなら、結果が出るまで長く、その間は評価されにくいという PdM の仕事の性質が、合っていないのかもしれません。この性質は会社を移っても残るので、CS や営業など、成果を数字で示しやすい仕事に移ることも選択肢になります。
もっとも、2 つのつらさは重なっています。会議に時間を取られてユーザーに会えないと、結果が出る前の手応えも得にくくなるからです。
要望を後回しにする判断と、結果が出るまでの長さは、どの会社にもある
PdM のところには、営業からは受注に要る機能、CS からは既存ユーザーの困りごと、開発からは作り直しの必要、経営からは今期の方針が、それぞれ届きます。誰か 1 人が間違っているわけではない中で、何を先にするかを決めるのが PdM の仕事だ、と書く記事があります(雪森えな「プロダクトマネージャーがつらいのはなぜ?PdMの仕事の構造から考えてみる」)。検索上位の記事も、優先順位を決めて何かを後回しにする判断、営業・開発・経営の板挟み、成果が出るまで長く、その間は評価されないこと、仕事に終わりが無いことを、そろって挙げています。
| つらい場面 | 会社を変えると |
|---|---|
| 要望がぶつかり、どれかを後回しにすると決める | 残る(最後に誰が決めるかは会社で変わる) |
| 断った相手と、翌日も一緒に働く | 残る |
| エンジニアや営業の上司ではないので、決めたことも頼んで動いてもらうしかない | 人を動かす権限が無いのは残る。何をどこまで決められるかは会社で変わる |
| 決めたことが正しかったかが、数か月後まで分からない | 残る(何で評価するかは会社で変わる) |
| 会議と進行管理で一日が終わる | 変わる |
| PdM が 1 人で、相談相手がいない | 変わる |
営業から PdM に移った人の記事には、断る相手が昨日までの仲間になる、という声があります(ようだい「プロダクトマネージャーがつらい理由と抜け方」)。同じ記事には、順調なときも行き詰まっているときも外からは区別がつかないので周りも声をかけず、家族に成果を一言で説明できない、とも書かれています。
海外の調査では、アトラシアンが米独仏の従業員 500〜10,000 名の企業のプロダクトチーム 700 名に聞いたところ(「アトラシアン、プロダクトチームに関する調査結果を発表」)、84% が自社プロダクトの市場での成功に不安を感じ、49% が戦略立案やロードマップの策定に十分な時間を割けていないと答えています。
会議に追われるか、1 人で抱えるかは、会社の体制で変わる
会議と進行管理で一日が埋まるかどうかは、開発の進行管理を誰が持つかで変わります。開発が動き出したばかりのチームで、エンジニアに「何やったらいいですか?」と聞かれ続け、「エンジニアの人たちがやることをひたすら用意するマシーン」になってユーザーの課題に向き合えなかった、という PdM の声があります。CTO の「1回開発止めませんか?」で抜け出せた、と続きます(chanmoro「プロダクトマネージャーとして駆け出して失敗したこと3選」)。進行管理やスプリントの運営を開発リードが持つ会社なら、PdM は、何を、なぜ作るかを考えることに時間を使いやすくなります。
相談相手も会社で変わります。「プロダクトにPdMはひとりです」「ひとりで抱え込んでしまうとつらいです」と書いた PdM は、相談できる相手ができて軽くなったと振り返っています(masateruk「プレイングマネージャーをやめてPdMに専念した一年をふりかえる」)。
一日の過ごし方は、担当するプロダクトによっても変わります。ゼロから作る新規事業か、すでに売れているプロダクトを伸ばすのか、BtoB か BtoC かで、見る数字も仕事の中身も違います。
「PdM が止めた」と言われるのは、PdM 1 人が決めたことになっているから
冒頭の例で、基盤を優先した判断そのものは筋が通っています。うまくいかなかったのは、その判断が PdM 1 人の決定として受け取られたことで、これは会社の仕組みと PdM の進め方の両方に原因があります。
当サイトの見立てでは、優先順位の決め方が決まっている会社では、結論は同じでも、決める前の進め方が違います。要望が持ち込まれた時点で、PdM は、基盤を先に直すとこの顧客の更新が危なくなる、ということを、更新の期日と一緒に 1 枚の資料にまとめます。その資料を、営業と開発の両方を見ている CPO や CEO が出る会議に持ち込んで決めてもらい、誰が決めたかを記録に残します。営業には更新の前に、今回はできないこと、代わりにできることを伝え、顧客への説明を一緒に考えます。
こうしておけば、更新が見送られても、会社として基盤を優先すると決めた結果になり、PdM 個人のせいにはされにくくなります。
今の会社でも、変えられることはある
辞める前に、今の会社で試せることが 3 つあります。
1 つは、次に要望がぶつかったら、その 1 件だけ資料にまとめて、上の人に決めてもらうことです。やり方を変えたいと頼むより、次の 1 件だけこの形で決めてほしいと上司に頼むほうが通りやすいはずです。断られたら、理由を見てください。それは PdM が決めることだと言われ、決めた結果も PdM 1 人のものとして扱われ続けるなら、今の会社では PdM が 1 人で決めて 1 人で責任を負う扱いになっている、という答えに近いでしょう。
2 つ目は、スプリントの運営を開発リードに渡すことです。議事録は会議ごとの持ち回りにし、PdM は何を作るかと優先順位を持つ。空いた時間を、ユーザーに会うことに回しやすくなります。
3 つ目は、決めたことの記録を、四半期ごとに数行書くことです。今期は A より B を先にした、理由はこう、A はその後こうなった、という形です。結果が出る前に何が良くなったのかと聞かれたとき、成果ではなく判断で答えられます。家族に何をしたかを話すときも、この形なら説明しやすくなります。
見切るなら、次の四半期の振り返りが一つの目安です。ただ、判断の材料は日付そのものより、その間に要望がぶつかる件が来たか、来たときに試した進め方がどう扱われたかです。
求人票で手がかりになるのは、PdM や開発チームの人数
会社で変わる側のほとんどは、求人票では読めません。最後に誰が決めるか、評価のしかた、ロードマップを誰が決めるかは、ほぼ書かれていません。働き方も同じで、当サイトの掲載求人では、月の平均残業の数字を書いている会社は約 1 割でした。
それでも、面接で聞く入口になる書き方はあります。
- PdM の人数: 書いてあれば、1 人で抱えずに済むかの手がかりになります
- 開発チームの体制を人数で書いているか: 開発リードや進行管理の担当が別にいるかを聞くきっかけになります
- CPO 直下・経営層の直下: 最後に誰が決めるかを聞く入口です。ただし、新しい事業や組織の募集で、宣伝として書かれていることもあります
逆に、裁量の大きさをうたう書き方からは、決められる範囲の中身は分かりません。仕事内容にロードマップの語があっても、誰が決めるかまでは読めません。
面接では、最近実際にあった件を聞くと見分けやすい
優先順位を最後に誰が決めるかを聞いても、答えが PdM や CPO という肩書きなら、今の会社と同じかどうかは見分けられません。聞くなら、最近あったことです。大事な順に挙げます。
- 直近で営業の要望を後回しにした件では、どなたがどの場で決めて、営業や顧客にはどなたが説明しましたか
- その判断が外れたとき、PdM の評価はどう扱われましたか。PdM は何の指標で、どのくらいの周期で評価されますか
- PdM の直近 1 か月の時間は、ユーザーと話す・仕様・進行管理・会議にどう分かれていますか。開発の進行管理をする方は別にいますか
- PdM は何人いて、どなたにレポートしますか
1 つ目の答えに CPO や事業の責任者が出てくるか、答えが PdM だけで終わるかで、今の会社と同じかどうかの見当をつける材料になります。
年収が下がるかは、求人の提示年収で見当をつける
PdM を続けて移ったとき、今の経歴で年収がどうなるかを示せる材料は、当サイトにはありません。確かな額が分かるのは、内定で条件が示されたときです。
その手前で見当をつけるなら、同じ業界・同じ規模の会社の PdM 求人を何件か並べ、提示年収の下限を今の年収と比べます。下限でも今の年収を超える求人が並ぶなら、下がる心配は比較的小さいと言えます。
ランサーズの開発ブログには、エンジニアから社内で PdM に移った人が、担当外の機能や運用を知らず学び直しに時間がかかった、という話があります。前の職種で同じ業界のお客さんと接してきた人は、その業界の会社に応募するほうが経歴を説明しやすい、と当サイトは見ています。
よくある質問
プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーは違いますか?
違います。プロジェクトマネージャーは、開発の計画・予算・要員・進捗を管理する責任者です(厚生労働省 job tag「プロジェクトマネージャ(IT) - 職業詳細」)。PdM は何を作るかを決める側です。ただ、進行管理まで PdM が持つ会社もあり、会議と進行管理で一日が終わるつらさは、その重なりから来ることがあります。
PdM は雑用係ですか?
周りから雑用係に見える、という質問が知恵袋に出ています。進行管理や議事録まで PdM に寄っている会社では、そう見えやすくなります。ただ、何を後回しにするかを決める仕事は、雑用ではありません。
CS や開発に戻るのは逃げですか?
逃げかどうかより、要望を後回しにする判断と、結果が出るまでの長さを、この先も引き受けたいかどうかで考えるとよいと思います。PdM を経験した人は、要望がなぜ後回しになるかを内側から見てきたので、顧客の声を開発が判断しやすい形で渡せます。面接でそう説明できれば、PdM の経験は強みになります。
PdM に向いている人は?
誰かの要望を後回しにする判断を引き受けられて、結果が出るまでの数か月、周りに評価されなくても続けられる人です。会議が減ってユーザーに会えれば遅い評価に耐えられる、という人は、PdM のまま会社を選び直す価値があります。
この記事の数字と声について
- 当サイトの数字は、2026 年 9 月 28 日時点で当サイト PREVIO に掲載していた求人のうち、求人のタイトルが PdM・プロダクトマネージャー等のものを、会社単位(その書き方の求人を 1 件以上出している会社を 1 社と数える)で数え、丸めたものです。日本の求人全体の数字ではありません。書いていないことは、無いことを意味しません
- PdM のつらい場面は、検索上位の記事と、PdM として働いた人の個人の記事をもとに当サイトがまとめたものです。体験談は個人の声として紹介しています。知恵袋の質問と、年収の節で触れたランサーズの開発ブログは、要約で紹介しています
- アトラシアンの調査は、米国・ドイツ・フランスの従業員 500〜10,000 名の企業のプロダクトチーム(PdM 以外も含む)が対象で、日本の PdM の数字ではありません
- 次のことは当サイトの見立てと助言で、会社や相手によって変わります
- A と B の比べ方とその読み方
- 「PdM が止めた」と言われる理由と、優先順位の決め方が決まっている会社での進め方
- 進行管理を誰が持つかで PdM の時間の使い方が変わること
- 今の会社で試す 3 つのことと、見切る時期
- 求人票の書き方の読み方と、面接の質問とその順
- 年収の見当の付け方と、同じ業界の経験が活きること
- CS などに移る道の評価と、向いている人