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電気設計を辞めたい?客先での立ち上げで泊まり込みになるのはどこでも同じか

FA の電気・制御設計では、実機を最後に動かす工程にいる限り、前の工程の遅れが現地の立ち上げにしわ寄せされやすいと当サイトは考えます。それでも、設計者が何人で何日現地に行くか、電気の設計者の人数と一人あたりの担当台数、仕様の固まり方は会社で違います。求人票で分かること、面接での聞き方、今の会社で相談すること、年収の比べ方を扱います。

公開 2026年9月30日 · 更新 2026年10月9日 · 集計 2026年9月30日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること

  • ・当サイトの見立てでは、実機を最後に動かす工程にいる限り、前の工程の遅れは現地の立ち上げにしわ寄せされやすい
  • ・設計者が何人で何日現地に行くか、電気の設計者の人数と一人あたりの担当台数、仕様の固まり方は会社で違う
  • ・求人票では現地に行かない会社を探せないので、面接で直近の立ち上げに誰が何日行ったかを聞く
目次開く
  1. 01前の工程の遅れが立ち上げに来やすいのはなぜか。何人で何日行くかは会社で違う
  2. 02設計者が現地に行くかは、会社の規模より装置の作り方で変わるのか
  3. 03現地に行かない会社は、求人票からは探せない
  4. 04今の会社に残るなら、次の長い出張の前に段取りを相談する
  5. 05移ったら年収は下がる?比べるなら基本給と固定の手当で
  6. 06面接で「案件による」と言われたら、最近の立ち上げを 1 件聞く
  7. 07よくある質問
  8. 08この記事の数字と根拠について

FA の専用機メーカーで電気制御設計をしている人がいるとします(架空の例です)。春の案件で、客先の仕様が出図の直前まで決まらず、機械設計の図面も遅れました。盤の製作と配線がずれ込み、社内のデバッグを半分残したまま出荷。客先の工場が止まる連休に据え付けることになり、2 週間泊まり込みました。昼は動作確認と打合せ、夜はホテルでラダーと画面の修正です。次の案件は海外の工場への納入で、出張は 1 か月近くになりそうです。

当サイトの見立てでは、実機を最後に動かす工程にいる限り、前の工程の遅れは現地の立ち上げにしわ寄せされやすくなります。ただし、設計者が現地に何人で何日行くか、電気の設計者が何人いて一人が何台を担当するか、仕様がいつ固まるかは、会社によって違います。 設計者が自分で現地まで行き、少ない人数で何台も担当し、仕様が遅れて固まる。これが全部そろうと、泊まり込みが毎回になります。立ち上げの経験を捨てなくても、ここが違う会社に移ることはできます。

前の工程の遅れが立ち上げに来やすいのはなぜか。何人で何日行くかは会社で違う

装置づくりは、仕様が決まり、機械設計の図面が出て、盤ができて配線され、最後に電気・制御で動かします。仕様や図面が遅れても出荷日と立ち上げの日は動きにくいので、縮むのはデバッグに使える日数です。さらに実機は、図面とラダーが合っていても、機構のばらつきやセンサーの個体差で一度では思ったとおりに動きません。人材紹介の会社の記事は、この仕事のきつさとして納期の厳しさ、想定外の仕様変更、机上と実機のずれを挙げ、客先の稼働予定に合わせて夜間・休日の作業が発生することがある、と書いています。

制御設計の仕事を経験した人の声には、「お客様の装置が稼働していない土日祝日も出張となります」とあります。客先がラインを止められるのは、連休や土日だからです。

会社を変えても続きやすいものと、会社で違うものを並べます。

きつさ場面会社を変えても続きやすいか
最後の工程で納期のしわ寄せを受ける仕様・図面・盤の遅れの分だけ、デバッグの期間が縮む工程上、起きやすい(当サイトの見立て)。どこまで詰まるかは、仕様の固まり方と人数で違う
図面どおりでも実機が動かないI/O チェック、調整、試運転で一つずつ潰す。動かなければ帰れない実機を動かす工程がある限り続きやすい
客先のラインが止まる日に入る立ち上げや改造は連休・土日・夜間になる休みに入る理由は続きやすい。回数と振替休日の扱いは会社と客先で違う
誰が現地へ行き、何日いるか設計者が立ち上げまで行く会社と、別の担当が受け持つ会社がある会社と案件で違う
一人に案件が集まる何台も同時に担当し、1 台の納期が近づくと残りの装置の作業が後回しになる電気の設計者の人数と、一人あたりの担当台数で違う
仕様の決まり方仕様が決まらないまま受注して進め、最後に設計へしわ寄せが来る会社の受注の仕方で違う
残業の波普段は落ち着いていても、出荷前と立ち上げ前の月だけ残業が増える会社で違う

自分の間違いで機械が想定外の動きをする怖さも、どの会社に移っても付いてきます。厚生労働省の job tag は、この職業について「小さな異変が事故につながる場合があり、事故を未然に防ぐよう細心の注意力や安全管理に関する意識が求められる」と書いています(「電気技術者 - 職業詳細」、2026 年 10 月 9 日確認)。

設計者が現地に行くかは、会社の規模より装置の作り方で変わるのか

設計者が現地に行かずに済む会社を、業界や規模で見分けられるだけの材料は、この記事では示せません。人材紹介の会社の記事には、規模の大きい企業では体制が整っていて現場対応が少ないケースもある、と書かれている程度です。

当サイトの見立てでは、効いてくるのは規模より、同じ型の装置を繰り返し出しているかどうかです。同じ型の装置なら、立ち上げの手順を据付やサービスの担当者に引き継げます。1 台ずつ仕様が違う専用機は、図面とラダーを描いた本人がいちばん早く直せるので、会社の規模にかかわらず設計者が現地に行く形になりやすいと考えます。

設計者が現地に行かない職場に移ると、実機で調整する経験は減ります。ハードだけ、ソフトだけに担当が偏る会社もあります。それでも、現地で何が起きるかを知っている人が描いた図面とラダーは、立ち上げを担当する側から見て扱いやすいものです。立ち上げで積んだ経験は、現地で手間のかからない設計をすることに生かせます。

自社工場の設備部門や生産技術の部署で、電気を担当するという選択肢もあります。立ち上げる先が自社のラインなので泊まりがけにはなりにくい一方、自社の休みに工事が入ることはあります。新しいラインを入れる時は、装置を発注する側、つまり今の客先と同じ立場になります。その時にラダーを自分で描くか、装置メーカーに任せて管理に回るかは、会社によって分かれます。

現地に行かない会社は、求人票からは探せない

当サイトの掲載求人のうち、求人のタイトルに電気設計・制御設計とあるものを会社ごとに見ると、約 6 割の会社は、どの求人でも現地の立ち上げや出張に触れていませんでした。書いていないからといって、現地に行かないとは限りません。立ち上げ・試運転・据付について書いている会社は約 3 割、出張について書いている会社は約 2 割で、どちらかに触れている会社は合わせて約 4 割です。出張の期間まで書いている会社は約 5%、客先や設備の対応で休日に出勤すると書いている会社は 5% 未満、繁忙期や納期前の残業に触れている会社も 5% 未満でした。

「出張少なめ」と一言あるだけでは、実際にどれだけ出張するかは分かりません。一方で、出張の期間や頻度まで書いてある求人なら、読んだ時点で見当が付きます。「試運転業務のために長期間(1~6か月)の出張」「1回の出張は2週間程度、全国的に顧客がいるのでエリアは全国です」のような書き方なら、自分の暮らしと両立できるかを応募の前に考えられます。

「立ち上げまで一貫して担当」「海外出張あり」「受注生産・専用機」と書いてあっても、それだけで応募先から外す理由にはなりません。設計者が現地に行く会社だとは分かりますが、何回・何日行くのかが書いていないので、泊まり込みが多いとまでは言えません。こう書いている会社には、面接で出張の日数と回数を必ず確かめます。

今の会社に残るなら、次の長い出張の前に段取りを相談する

辞める前に、今の会社で現地の日数を減らせないかを確かめることもできます。

上司に相談する時は、家庭の事情だけを伝えるより、案件の進め方の話として持ち出すほうが通りやすくなります。たとえば、前の案件では社内のデバッグを残して出荷したために現地が何日延びたかを示し、次の案件では出荷前の社内デバッグに何日取れるかを相談します。長い出張なら、前半と後半で別の人に交代してもらえないか、一人が日本に残って現地を遠隔で支えられないかも聞けます。家庭の事情は、そのうえで事実として一言添えれば十分です。

上司の返事は、残るか移るかを決める手がかりになります。段取りを見直してもらえるなら、今の会社でも泊まり込みを減らせる見込みがあります。「案件だから」で終わるなら、移る理由がはっきりします。

移ったら年収は下がる?比べるなら基本給と固定の手当で

出張の少ない会社に移った時の年収の相場は、この記事では示せません。

出張や残業が多い働き方では、出張手当や残業代の分だけ年収が上がります。装置の据え付けや試運転を担当していた人には、残業で収入は増えたが使う時間が無かった、と振り返る声があります。今の年収にも、出張手当と残業代が含まれています。

そこで比べる時は、給与明細から基本給と固定の手当だけを取り出して 1 年分を計算し、応募先の提示額の同じ部分と並べます。出張や残業の多さで毎年変わる分を除いておけば、出張の多かった年や少なかった年の額に引きずられずに比べられます。

面接で「案件による」と言われたら、最近の立ち上げを 1 件聞く

面接で出張について聞いて「案件による」と返ってきたら、出張の決まりではなく、いちばん最近の立ち上げについて聞きます。聞くのは次の 3 つで、上ほど大事です。

  • 直近に立ち上げた案件では、誰が何人で現地に行き、何日いましたか
  • それは客先の連休や土日に当たりましたか。振替休日は取れましたか
  • 電気の設計者はいま何人いて、いちばん多く担当している人は同時に何台ですか

それでもはっきりした答えが返ってこないなら、そのこと自体がその会社を見る手がかりになります。電気の設計者本人と話す機会をお願いするのも一つの方法です。

出張のことを細かく聞くと、立ち上げを嫌がっていると受け取られないか、心配になるかもしれません。先に立ち上げで何をしてきたかを具体的に話しておけば、出張の質問は、経験のある人が働き方を確かめているのだと伝わります。たとえば、デバッグが残った状態で出荷した装置を現地で仕上げた、客先の生産技術の担当者と調整しながら不具合を直した、といった話です。そのうえで、今後も現地に出ることはできるが、1 か月の泊まり込みが毎回続く形は難しい、と伝えてから日数を聞きます。出張の日数を聞いただけで評価を下げる会社なら、入社後も同じ働き方を求められると考えてよいでしょう。

よくある質問

電気・制御設計はどこの会社でも休日出勤がありますか?

客先のラインが止まる日に立ち上げや改造に入るのは、現地で装置を動かす工程がある限り起きやすいと考えます。ただし、その日に誰が行くか、年に何回あるか、振替休日が取れるかは、会社や客先によって違います。休日出勤について求人票に書いている会社は少ないので、面接で直近の立ち上げが客先の休みに当たったかを聞くのが早道です。

入って数年、覚えることが多くてついていけません。向いていないのでしょうか?

制御、電気回路、センサー、ネットワークとまたがり、PLC は書く人によって組み方が違います。電気制御の設計に長く携わってきた人も、「入社して3年くらいまでは、わからないことだらけで失敗しまくり」と書いています。覚えることの多さは、どの会社に移っても変わりません。一方、教え方は会社によって違います。つらさの原因が覚える量より教わり方にあるなら、会社を変えることで楽になる部分があります。

出張が続く中で、転職活動はできますか?

長い出張に出る前に、職務経歴書を書き上げ、気になる求人に応募しておくと進めやすくなります。応募の時に出張の期間を伝えておけば、面接の日程を合わせてもらいやすくなります。対面の面接は、出張から戻った後、立ち上げで休日に出た分の振替休日を使って受ける方法もあります。

電気設計を辞めて、別の仕事に移るべきでしょうか?

泊まり込みの多さだけが理由なら、職種を変える前に、設計者の出張の日数が少ない会社を探す手があります。実機を現地で動かす仕事そのものが合わないなら、自社工場の設備部門のように、泊まりがけの出張から離れられる仕事もあります。

この記事の数字と根拠について

  • 当サイトの数字は、2026 年 9 月 30 日時点で当サイト PREVIO に掲載していた求人のうち、製造・機電系の職種で、求人のタイトルに電気設計・制御設計(FA・装置・設備・電装・計装)とあるものを、会社単位で数えたものです。「書いている会社」はその内容を書いた求人を 1 件以上出している会社、「書いていない会社」はどの求人にも書いていない会社です。求人票に書いてあるかどうかを数えたもので、実際の働き方を数えたものではありません。書いていないことは、無いことを意味しません。会社の数が少ないため、数パーセントの差には意味がありません。割合は丸めています。日本の求人全体の数字ではありません
  • 納期の厳しさ、想定外の仕様変更、机上と実機のずれ、客先の稼働に合わせた夜間・休日の作業は、人材紹介の会社の記事と、この仕事で働いている人・働いていた人の声をもとにまとめました。誰が現地に行くかが会社で違うことは人材紹介の会社の記事に、仕様の決まり方が会社で違うことは FA の電気設計者の個人ブログ 1 本に拠っています。job tag の「電気技術者」は主に電力や鉄道の設備の仕事を説明していて、試運転や立ち上げを仕事として挙げていないため、その根拠にはしていません。job tag から引いたのは、事故を防ぐための注意についての一文だけです
  • 土日祝日の出張、残業で増えた収入、覚えることの多さは、個人の声として紹介しています
  • 次の点は当サイトの見立てです。実機を最後に動かす工程にいる限り、前の工程の遅れが現地の立ち上げにしわ寄せされやすいこと。電気の設計者の人数と一人あたりの担当台数が会社で違うこと。設計者が現地に行くかが、会社の規模より、同じ型の装置を繰り返し出しているかどうかで変わり、1 台ずつ仕様が違う専用機では設計者が行く形になりやすいこと。三つの条件がそろうと泊まり込みが毎回になること。現地を知る人の図面が扱いやすく、立ち上げの経験が設計に生きること。自社工場の設備部門での働き方
  • 上司への相談の仕方、年収の比べ方、面接での聞き方と経験の話し方、出張の日数を聞いて評価を下げる会社の受け止め方、出張をはさんだ転職活動の進め方は、当サイトの助言です。同じ言い方でも、相手の会社や上司によって受け取られ方は変わります
  • 出張の少ない会社や設備部門に移った時の年収の相場は、この記事では扱っていません
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