転職の判断
「転職しない方がいい人」の特徴に当てはまる? 転職するかどうかは、今すぐ決めなくていい
目的が曖昧、人間関係が理由といった「転職しない方がいい人」の特徴には、転職した結果で確かめた調査の裏付けが見当たりません。転職するかは今決めなくてよく、在職中に求人を見て、書いていないことは面接で聞き、今の職場と比べてから決められます。上司が嫌で辞めたい人にも、不満は無いのに焦っている人にも答えます。
公開 2026年9月21日 · 更新 2026年10月11日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・「転職しない方がいい人」の特徴を、転職した結果で確かめた調査は見当たらない。性格を測った調査は見当たらず、同じ人を追った調査で差が出たのは今の仕事への不満の有無
- ・上司が嫌なら職種は変えずに探し、面接では職場の決まりごとを聞く。大きな不満が無ければ、急いで辞める理由は数字からは出ない
- ・転職するかは今決めなくていい。求人票の年収の下限と、書いていないことへの面接の答えで、今の職場と比べてから決める
目次開く閉じる
- 01「転職しない方がいい人」の特徴を、転職した結果で確かめた調査は見当たらない
- 02人間関係が理由の転職が失敗する、とは決まっていない
- 03仕事内容は嫌いでなく上司が嫌なら、職種は変えずに探すのがいい
- 04面接では上司の人柄より、職場の決まりごとを聞く
- 05大きな不満が無いなら、調査からは急いで辞める理由が出てこない
- 06「35 歳の壁」は、転職後の賃金の増減には表れていない
- 07迷い続けないために、確かめることに期限を付ける
- 08転職して年収が下がるのが普通とは言えない
- 09当サイトの求人票では、年間休日の日数・残業の実績・転勤の有無・人員構成・評価の仕組みは書いていないことが多い
- 10よくある質問
- 11この記事で分からないこと
人間関係が理由の転職は失敗する、目的が曖昧な人はやめておけ、といった声を読んで、自分は「転職しない方がいい人」だと思った人もいるはずです。上司と合わずに辞めたい人もいれば、大きな不満は無いのに、周りの転職や「35 歳の壁」で焦っている人もいると思います。
特徴の一覧には、転職した結果で確かめた裏付けが見当たりません。そして、転職するかどうかは今すぐ決めなくて大丈夫です。 在職中に求人を見て、書いていないことは面接で聞き、今の職場と比べられるようになってから決めれば足ります。性格を測った調査は見当たらず、同じ人を追った調査で差が出たのは、今の仕事に不満があったかどうかでした。手がかりにするなら、今の仕事に不満があるか、あるならそれは何かです。
- 仕事内容は嫌いではなく、上司が嫌で辞めたい人: 人間関係が理由の転職が失敗する、とは決まっていない
- 大きな不満は無いのに、焦っている人: 大きな不満が無いなら、調査からは急いで辞める理由が出てこない
「転職しない方がいい人」の特徴を、転職した結果で確かめた調査は見当たらない
「転職しない方がいい人」として並ぶのは、目的が曖昧、不満から逃げたいだけ、感情的、逃げ癖がある、といった本人の特徴です。けれども、性格や動機を測って、転職した後どうなったかと比べた調査は見当たりません。
人間関係が理由の転職はやめておけ、という声のもとには、経験者の意見を集めた調査があります。株式会社ビズヒッツが転職経験者 500 人に、転職を思いとどまったほうがいいと思う理由やケースを聞いたところ、1 位が人間関係、2 位が仕事内容で、4 位には転職理由があいまいなケース(500 人中 32 人)が入っていました。調査は 2021 年 8 月のインターネットの任意回答です(Biz Hits「転職しないほうがいいケースランキング!転職を迷ったときの対処法も解説」、2026-09-21 確認)。目的が曖昧な人はやめておけ、という声についても、あるのは同じ種類の意見の集計(この調査の 4 位)です。どれも実際に転職した人がどうなったかを測ったものではありません。
転職した人のその後を測った調査もあります。リクルートワークス研究所の全国就業実態パネル調査(JPSED)は、2017 年時点で 25〜49 歳の正社員だった 4,812 人を 2 年後まで追いました。この調査は性格を測っていませんが、残った人と転職した人で 2 年後の仕事への不満に差が出て、その向きは、最初に今の仕事に不満があったかどうかで逆になっていました(リクルートワークス研究所「働き方に不満。転職と残留、どちらを選ぶ? ―“Exit Voice”理論の実際―」、2026-09-21 確認)。
この記事で使う調査の数字は、残るか移るかを自分で選んだ人どうしを比べたものです。残った人や辞めた人の結果がそのまま自分に当てはまる、という個人の予測ではありません。分かるのは傾向までです。
人間関係が理由の転職が失敗する、とは決まっていない
先の JPSED で、最初に仕事に不満があった人(不満の中身では分けていません)のうち、2 年後に不満でなくなっていた割合は、転職した人で 58%、残った人で 39% と、転職した人の方が高くなっていました。仕事に不満があって転職しても、失敗に終わると決まっているわけではないと考えます。
人間関係が理由なら、どこへ行っても同じだと言われます。リクルートワークス研究所が転職した人の 1 年の変化を調べた JPSED では、人間関係への不満を理由に転職した人のうち、仕事そのものの満足度が上がった人は 39.2%、変わらなかった人は 35.9%、下がった人は 24.9% でした。仕事内容への不満を理由にした人では、上がった人が 39.1%、変わらなかった人が 41.9%、下がった人が 18.9% でした(リクルートワークス研究所「転職により仕事の満足度はどのように変化するのか?」、2026-09-21 確認)。
人間関係を理由に転職した人の満足度は、一律に下がってはいません。ただ、同じ不満を抱えて残った人との比較は無く、測ったのは人間関係そのものではないので、転職すればよいとも言えません。不満の理由だけで決めるより、次の職場で同じ不満が繰り返されそうかを確かめてから決めるのがいいと考えます。
体調に出ているほどつらいなら、何年我慢するかを決める前に、そちらを先に気にかけてください。
仕事内容は嫌いでなく上司が嫌なら、職種は変えずに探すのがいい
不満の相手が上司で、仕事内容は嫌いではないなら、今回変えたいのは上司と職場です。職種まで変える理由は、まだ無いと考えます。
職種も変えると、次の職場が合わなかった時に、原因が上司なのか仕事なのかが分からなくなります。同じ職種で探せば、これまでの経験を同じ仕事の経験として応募書類に書けます。次にやりたい仕事が決まっていないことも、この場合は弱みにならないと思います。やりたい仕事が後から見つかったら、その時に考えれば十分です。
面接では上司の人柄より、職場の決まりごとを聞く
面接で「上長はどんな方ですか」と聞いても、人柄の話で終わりやすいと思います。人柄の印象ではなく、職場で実際にどうしているかを聞く形にするのがいいと考えます。
- 配属先は何人で、どんな年代の人がいますか
- この 1 年で、配属先に入った人・抜けた人はいますか。今回の募集は増員ですか、欠員ですか
- 上長は今の役職に就いてどのくらいたちますか。異動はどのくらいの間隔でありますか
- ミスが見つかった時は、誰にどう伝えて、どこで共有していますか
- 雑務や急ぎの仕事は、誰がどうやって割り振っていますか
最後の 2 つは、上司が替わっても残りやすい職場の決まりごとを尋ねる質問です。次の職場でも、上司は異動で替わるかもしれません。ミスの伝え方や仕事の偏りがつらいなら、それが上司個人のやり方で決まるのか、職場の手順として決まっているのかを確かめる方が、上司の人柄を探るより当てになるはずです。
面接で転職理由を聞かれた時は、「上司と合わない」とそのまま言うより、次の職場で確かめたいことに言い換えて話すのがいいと思います。たとえば「ミスの伝え方や仕事の割り振りが上司個人のやり方で決まる環境で、働きにくさを感じました。仕事は続けたいので、ミスの共有や仕事の割り振りに決まった手順がある職場で働きたいと考えています」という形です。伝えている不満は同じで、そのまま上の質問にもつなげられます。面接官の受け取り方は相手によるので、この言い方なら必ず通るとは言えません。
大きな不満が無いなら、調査からは急いで辞める理由が出てこない
先の JPSED で、最初に仕事に不満が無かった人(どちらともいえないを含む)のうち、2 年後も不満が無かった割合は、残った人で 83%、転職した人で 77% でした(リクルートワークス研究所「働き方に不満。転職と残留、どちらを選ぶ? ―“Exit Voice”理論の実際―」、2026-09-21 確認)。
大きな不満が無い今、急いで辞める理由はこの数字からは出てきませんが、残るべきだという数字でもありません。
特徴の一覧に、転職した結果で確かめた裏付けが見当たらない以上、目的が曖昧なこと自体が転職をやめる理由になるとは言えません。今の会社に足りないものが見つかれば、それがそのまま転職の目的になると考えます。足りないものを頭の中だけで探すのは難しいので、この 1 年で嫌だった場面と続けたい仕事を思い出したり、求人を見ていいと思った項目を拾ったりすると見つけやすいはずです。
「35 歳の壁」は、転職後の賃金の増減には表れていない
年齢ごとの採用されやすさを示した数字は、この記事で集めた資料にはありません。手がかりになるのは、転職した人の賃金が前職より増えたか減ったかです。
厚生労働省の令和 7 年雇用動向調査で、2025 年に転職した人の賃金が増えた割合から減った割合を引くと、30〜34 歳も 35〜39 歳も同じ +19.6 ポイントでした。40〜44 歳は +17.5、45〜49 歳は +11.0 ポイントで、2025 年は、減った人の方が多くなるのは 50〜54 歳(−12.6 ポイント)からです(厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」、2026-09-21 確認)。年代ごとの値は年によって大きく動きますが、35 歳を境に急に崩れる形は見えません。
迷い続けないために、確かめることに期限を付ける
焦りがあってもずるずる迷い続けたくないなら、期限は辞めるかどうかに付けず、何を確かめるかに付けるのがいいと考えます。
たとえば、1 か月で同じ職種の求人を 10 件ほど見て、いいと思った項目に印をつけ、今の会社に足りないものがあるかだけを決める。無ければ求人を見るのはそこで一度やめ、評価や異動の時期など、自分の状況が変わる時にまた見る。あれば、それが書いてある求人や、面接で確かめられそうな求人に応募するかを、次の 1 か月で決める。こうすると、1 か月ごとに決めることが一つで済みます。
確かめた結果、今の会社に足りないものが無かったなら、それも一つの答えです。
転職して年収が下がるのが普通とは言えない
転職して年収が下がるのが普通とは言えません。下がる人も上がる人もいて、自分がどちらになるかは割合からは分かりません。比べるのは、応募する求人票に書かれた年収の下限です。
厚生労働省の令和 7 年雇用動向調査では、2025 年に転職した人の賃金は、前職より増加が 40.8%、減少が 31.0%、変わらないが 25.5% でした。1 割以上増えた人は 28.2%、1 割以上減った人は 21.9% です(厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」、2026-09-21 確認)。令和 2 年転職者実態調査では、賃金が減った人は 40.1% でした(厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」、2026-09-21 確認)。下がる人は、調査によって 3〜4 割です。
「450〜700 万円」のように幅がある求人で、幅のどこに決まるかは求人票からは分かりません。下限はその会社が示している一番低い額なので、今の年収と比べる時は下限を使うのが安全です。下限が今の年収を下回る求人は、上がる保証が無いと見ておくのがいいと思います。
今の年収がそもそも高いのか低いのかは、記事「適正年収はいくら? 自分の年収を同じ年齢の正社員の給料と比べる方法」で調べられます。市場価値診断で出た金額を求人の年収の下限で確かめる方法は、記事「市場価値診断の年収はどう読むか 登録せずに求人の下の端から確かめる手順」にあります。
当サイトの求人票では、年間休日の日数・残業の実績・転勤の有無・人員構成・評価の仕組みは書いていないことが多い
当サイト PREVIO の掲載求人を数えると、仕事内容はほぼ全件に書いてありましたが、年収の下限は 85%、年間休日の日数は 35%、転勤の有無は 20%、残業の実績(月の平均時間か「残業なし」)は 15%、配属先の人員構成は 10%、評価の仕組みは 10% の求人にしか記載がありませんでした(当サイト PREVIO の掲載求人、2026-09-21 時点で掲載中の全求人を職種・勤務地で絞らずに集計、割合は 5% 単位に丸め)。
当サイトで数えた項目のうち、休日の日数、残業の実績、転勤の有無、配属先の人員構成、評価の仕組みは、記載の無い求人の方が多いということです。気になる項目の記載が無いのは珍しくないので、それだけで応募先の候補から外す理由にはなりません。記載の無い項目は、面接で聞くことになります。人員構成が書いてあっても、分かるのは人数や年代で、職場の人間関係そのものは分かりません。上司や職場のことは、面接の節の質問で確かめられます。
よくある質問
転職して後悔する確率はどれくらいですか?
この記事で使った調査からは出せません。令和 2 年転職者実態調査では、転職後の職業生活全体に「不満」「やや不満」と答えた人は 11.4% でしたが、これは後悔した人の割合ではありません(厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」、2026-09-21 確認)。
転職するかどうかは、診断ツールで決められますか?
検索で出てくる診断は、質問に答えると点数が出る形で、点数の根拠が示されているものは見当たりません。この記事では、診断の代わりに、今の仕事に不満があるか、それは何かを手がかりにしています。
人間関係が理由なら、転職しても同じことになりますか?
この記事の調査では分かりません。人間関係の不満で転職した人の仕事そのものの満足度は、上がった人も下がった人もいて、一律に下がってはいません。ただ、同じ不満で残った人との比較はありません。次の職場で同じことが起きそうかは、面接で職場の決まりごとを聞いて確かめるのがいいと考えます。
35 歳を過ぎると転職できなくなりますか?
35 歳を境に転職しにくくなることを示す数字は、この記事で集めた資料にはありません。転職した人の賃金の増減で見ると、30〜34 歳と 35〜39 歳で差は無く、35 歳を境に急に崩れる形は見えません。
面接で転職理由はどう言えばいいですか?
嘘をつく必要はありません。「上司と合わない」とそのまま言うより、次の職場で確かめたいこと(ミスの共有や仕事の割り振りが仕組みになっているか)として話すのがいいと思います。例は「面接では上司の人柄より、職場の決まりごとを聞く」に載せています。
在職中に、面接の時間はどう作ればいいですか?
応募先に、在職中で平日の日中は動きにくいと伝えて、時間を相談してみるのがいいと思います。回数が心配なら、面接をなるべく同じ日にまとめる、オンラインでできる回はそちらに寄せる、と頼むこともできます。
この記事で分からないこと
- 2 年後の不満を比べた JPSED は、2017 年時点で 25〜49 歳の正社員だった人の 2016〜2018 年の実態です。「不満が無い」には「どちらともいえない」が含まれます。正社員以外や、この年齢に入らない人の傾向は分かりません
- 理由別の満足度の JPSED は、2020 年と 2021 年に少しでも働いた人(正社員に限らず、年齢も限らない)の 1 年の変化で、コロナ禍の時期です。測ったのは仕事そのものの満足度で、人間関係そのものではありません。理由別の人数と、同じ不満で残った人の数字は示されていません
- 雇用動向調査の賃金の増減は、前職が雇用者で、調査時点で転職先に在籍していた人の回答です。転職者実態調査も調査時点で在籍している人が対象で、転職後すぐに辞めた人は入りません。二つの調査は対象と時期が違うため、割合が食い違います
- 当サイト PREVIO の集計は、求人票の文章から記載の有無を数えたものです。拾えない言い回しがあるので、実際の割合はこれより高い可能性があります。記載が実態どおりか、書いていない求人の実態がどうかは分かりません。職種と勤務地を絞らない全求人の割合なので、自分が探す職種や地域で同じ割合になるとは限りません
- 自分の職種・地域での年収の高低、体調面でどこまで我慢してよいかの目安、会社の将来性への不満は、この記事では扱っていません