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カスタマーサクセスはやめとけ?売上目標まで持たされる会社の見分け方
カスタマーサクセスは契約した後の顧客を担当するので、解約や営業の約束、開発の遅れが招いた結果に顧客の前で向き合う役回りは、続ける限り残ります。会社によって違うのは、売上目標が後から付くかどうか、問い合わせ対応を兼ねるかどうか、1 人の担当社数です。求人票で候補から外せる会社、面接で最近の出来事を聞いて分かること、今の会社で先に確かめる方法をまとめました。
公開 2026年9月28日 · 更新 2026年10月9日 · 集計 2026年9月28日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・解約の連絡、営業の約束の後始末、開発待ちの催促は、契約した後の顧客を担当する限り残る。売上目標・問い合わせ当番・担当社数は会社による
- ・アップセルと書く求人は外せるが、売上目標が無いことは求人票では確かめられない。面接では最近の解約や引き継ぎの件を聞く
- ・担当社数が多いかは、利用率が落ちた会社にその月のうちに連絡できているかで見る。今の会社でも数えて上司に相談できる
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立ち上げから支えた顧客企業から、更新の前に解約の連絡が来る。振り返りの場では、利用率が落ちた時点で手を打てなかったのかと聞かれ、同じ週の面談ではアップセル目標の達成状況を伝えられる。カスタマーサクセス(CS)でこういう週を過ごすと、「やめとけ」の声がそのとおりに思えてきます。
CS を続ける限り残るのは、契約した後の顧客を担当する役回りから来るものです。 解約の連絡を受けて理由を聞き、社内に報告する。営業が契約を取った顧客を引き継ぐ。顧客の要望を開発に伝え、実装されるまでの間の催促を受ける。原因が開発の遅れや顧客の社内事情のように自分の外にあっても、顧客と向き合うのは担当の CS です。会社を変えても、形を変えて残ります。
一方で、売上目標が後から付くかどうか、問い合わせ対応を兼ねるかどうか、担当社数がどれだけかは、会社によって違います。「やめとけ」と言われる理由のうち、売上目標や問い合わせの兼務、担当社数の話は、この会社ごとに違う部分です。この記事では、その部分を今の会社で確かめる方法と、転職先で見分ける方法を書きます。
解約や営業の約束の後始末は残り、売上目標・当番・担当社数は会社による
CS でつらいと言われる場面を、会社を変えても残るものと、会社によって違うものに分けると、こうなります。
| つらい場面 | 会社を変えたら |
|---|---|
| 解約の連絡を受け、理由を聞いて社内に報告する | 残る。重さは、プロダクトの機能が足りているか、開発に投資しているかで変わる |
| 営業が提案の時に約束したことを、引き継いだ後で顧客から求められる | 残る。どれだけ起きるかは、営業との引き継ぎのやり方で変わる |
| 顧客の要望を開発に伝え、実装されるまで催促を受ける | 残る。開発がどれだけ動くかは会社で違う |
| 継続率に加えて、アップセルの売上目標が個人に付く | 会社による |
| 問い合わせの当番を兼ね、その日は他の仕事が止まる | 会社による |
| 担当社数が多く、利用が落ちた会社に手が回らない | 会社による |
営業の約束の引き継ぎは、たとえば導入支援の途中で、顧客に「え?営業さんから聞いていた話とちがいますよ?」と言われる場面です。CS の経験を書いた人は、こうした場面は「極たまに発生する可能性があります」と書いています。毎日のことではありませんが、営業が売り、CS が引き継ぐ分業である限り、起きた時に対応するのは CS です。
上の 3 つの場面の重さは、プロダクトに機能が足りているかと、営業・開発とどう分担しているかで決まります。これは職種ではなく会社ごとの違いなので、後で書く面接の質問で確かめられます。
解約の原因には、CS が動かせないものと、打てる手があったものがある
解約の振り返りで手を打てなかったのかと聞かれると、全部が自分のせいに思えてきます。けれど解約の原因は、1 つとは限りません。原因ごとに分けると、自分が負う部分は全体の一部だと分かります。
たとえば、営業が提案で対応予定と言った他社ソフトとの連携が、開発の優先順位で後回しになった。これは CS には動かせません。一方、顧客の社内で旗を振っていた担当者が異動し、後任が使わなくなって利用率が落ちた。使う気のない後任に使ってもらうのは難しくても、異動が分かった時点で前任者に後任との引き継ぎの場を頼む、顧客の社内で困っている側の部署の人に利用の状況を相談する、くらいの手は打てました。それで解約が防げたかは分かりません。
CS は、問い合わせを待つのではなく、利用状況を見て言われる前に動く仕事とされています。振り返りで手を打てなかったのかと聞かれるのも、この仕事の決まりごとから来るものだと当サイトは見ています。そのうえで、原因の片方が開発の遅れにあることは、振り返りの場で言ってかまいません。
アップセルと書く会社は求人票で外せる。売上目標が無い会社は求人票では見分けられない
当サイト PREVIO の掲載求人を会社単位で数えると、CS の求人票に何が書いてあるかはこうでした(2026 年 9 月 28 日時点、題名が CS の仕事の求人。割合は 5% 単位に丸めています)。
| 求人票の書き方 | 当たる会社 |
|---|---|
| アップセル・クロスセルを仕事内容に書く | 約 55% |
| アップセルも解約・継続の指標も、どの求人にも書いていない | 約 40% |
| 問い合わせ対応(電話・メール・チャット)を CS の仕事に書く | 約 20% |
| 問い合わせは別のチームが受けると書く | 5% 未満 |
| 1 人の担当社数を書く | 5% 未満 |
仕事内容にアップセル・クロスセルと書いてあれば、上位プランなどを提案して売ることが仕事に入っています。売上目標を避けたいなら、この半分ほどの会社は候補から外せます。
ただし、書いていない約 40% の会社も、アップセルが無いとは限りません。CS 専門の人材サービスの会社の人は、解約率を主な指標にしていた CS が「突然、売上目標を持つようになった」という声が各所から上がっている、と書いています。入社した時の求人に無くても、後から付くことはあります。営業ノルマやインセンティブの有無も、求人票ではほぼ読めません。
求人票では、題名より仕事内容に並ぶ動詞を読んでください。題名が CS でも、仕事内容が受注や新規の提案中心の求人があります。問い合わせ対応は、別のチームが受けると明記する会社がほとんど無いので、書いていなくても CS が兼ねないとは言えません。
後から付くかどうかの見当を付けるには、面接で目標がどう変わってきたかを聞くことと、料金プランの仕組みを見ることです。顧客の利用が広がると料金が自然に上がるプランの会社なら、CS が上位プランを個別に売り込む必要は小さくなると考えられます。
担当社数が多いかは、利用率が落ちた会社にその月のうちに連絡できているかで分かる
担当が 60 社なら多いのか。これに答える目安はありません。CS ツール Fullstar(提供はクラウドサーカス)の調査では、勤め先の CS 1 人あたりの担当顧客数を CS・サポートの担当者 114 人が答え、その平均が 97 社でした(「カスタマーサクセスに携わる担当者の実態調査!担当する顧客の平均解約率は2.84%、担当者1名あたりの顧客数は平均97社。」、2023 年 9 月 19 日公開)。CS とサポートの担当者が混ざった回答で、顧客の規模も違うので、自分の社数と比べる物差しにはなりません。求人票に担当社数を書く会社もごくわずかで、書いている会社でも 1 人 4〜5 社から 50〜100 社まで開いています。
社数の正解を探すより、利用率が落ちた会社に、その月のうちに連絡できているかで見るほうが判断できます。CS の仕事の中心は、利用が止まりかけた顧客を自分で見つけて連絡することです。それが当番の日や目標の準備に押されて後回しになっているなら、今の担当社数は多いと考えてよいと思います。これは自分で数えられ、転職先の面接でも同じことを聞けます。
転職先の後始末の重さや目標は、面接で最近の出来事を聞くと分かる
面接でプロダクトの機能は足りているかと聞いても、良いことしか返ってきません。評価や方針ではなく最近の出来事を聞くと、相手は実際にあった件で答えることになるので、実態に近い話が出てきます。大事な順に 4 つです。
- この半年で解約になった顧客は、主な理由が何でしたか。その後、プロダクトか体制で何か変えましたか。 機能が足りないという理由が続けて出るなら、CS が解約の説明や催促を受ける場面の多い会社です
- 最近、顧客から営業に聞いていた話と違うと言われた件はありましたか。営業から引き継ぐ時、提案で約束した内容はどう渡されますか。 具体的な件を 1 つ話してもらえるかで、引き継ぎを気にしている会社かが分かります
- CS が上げた要望で、この半年に実装されたものはありますか。 要望が実装されるまでにどれだけかかるか、そもそも実装されるのかが分かります
- CS の個人目標の数字は何ですか。この 1〜2 年で変わりましたか。 売上の数字が入っているか、上位プランの提案は誰の数字になるかも、ここで一緒に聞けます
4 つ目は、売上目標が後から付きそうな会社かどうか、その方向を見るための質問です。今は付いていなくても、ここ 1〜2 年で CS の目標が増えてきた会社なら、付く方向に動いていると考えられます。
転職の前に、今の会社で変えられるかを試す道もある
今の会社で確かめるほうが転職より手間が少なく、確かめた結果は転職の面接でもそのまま使えます。
数えるのは 2〜3 か月分です。
- 利用率が目標を下回った会社が月に何社出たか、そのうち月内に連絡できたのが何社か
- 問い合わせ当番の日に、問い合わせでどれだけの時間が取られたか
- アップセルの準備(提案先の洗い出し、資料、商談)にかけた時間
上司には、手が回らないと訴えるのではなく、この 3 つが同じ週に重なると利用率が落ちた会社への連絡が後回しになることを示して、どれを優先すべきかを決めてもらう形がよいと思います。優先順位を上司が決める形にすると、自分の手際ではなく、時間の配分の話として聞いてもらえます。解約した会社への連絡を後回しにしていたなら、それも隠さずに言ってかまいません。後回しにした理由がこの重なりなら、それ自体が材料です。
あわせて、アップセルの目標は来期も続くのか、CS の評価で継続率とアップセルのどちらが重いのかも聞けます。次の期の目標が決まる時に何も変わらなければ、そこが転職を考える区切りになります。
営業経験は、アップセルを持つ CS の求人でこそ評価されやすいと当サイトは見ている
営業から CS に移った人には、気をつけたい食い違いが一つあります。営業の経験と CS の経験を合わせ持つ人は、アップセルを仕事に書く求人でこそ一番評価されやすい、と当サイトは見ています。面接で営業もできる CS として話すのが一番楽ですが、そうすると入った先でアップセルを任されやすくなります。
売上目標を避けたいなら、営業経験は売る力より、相手の会社の中の事情を読む力として話す方が合います。顧客の利用が止まる理由には、担当者の異動や社内の優先順位の変化もあります。相手の社内の事情を読んできた経験は、顧客に使い続けてもらう仕事にそのまま使えます。
よくある質問
解約された話は、面接でしてもいいですか?
してよいと考えます。CS の面接官なら、解約が起きることは分かっています。話す時は、原因をどう分けたかと、その後に何を変えたかを中心にします。その後に変えたことには、実際にやったことだけを入れてください。
CS を続けている人は、どこに手応えを感じていますか?
CS を自分に合った仕事だと書く人の声はありますが、手応えを感じた場面を具体的に書いたものはほとんど手元に無く、ここでは実例を示せません。CS の立ち上げを支援する会社の代表は、立ち上げ期の成果は「クレームが減った」「社内が少し静かになった」のような変化で、数字で評価されにくいと書いています。CS の手応えは、契約が取れた時のようにその場で来るものではなく、顧客の側の変化として後から感じるものだと当サイトは考えます。営業で契約を取った時のような、自分の手柄だと感じる手応えは得にくいので、それが自分に欠かせないかどうかは、続けるかを決める大きな材料です。
CS を辞めたら、どこへ行けますか?
行き先の割合を示すデータはありません。候補になるのは、要望を上げる側から決める側に移るプロダクト企画、既存の顧客を持つ営業、今の業界の導入支援や企画です。プロダクト職は経験者を求める求人が中心だと考えられるので、まず今の会社で異動できないかを探るほうが入りやすいと考えます。営業に戻ることも、自分に合う手応えが得られるかで選んでかまいません。新しく契約を取る側の仕事のつらさは、インサイドセールスとフィールドセールスの記事で扱っています。
どれくらいで見切ればいいですか?
何か月と決めるより、次の期の目標が決まる時を区切りにするのがおすすめです。2〜3 か月数えて上司と話し、次の期の目標に変化があったかを見ます。会社の期の区切りにもよりますが、半年ほどになります。その間に求人を見始めるのはかまいません。
この記事の数字と声について
- 当サイトの数字は、2026 年 9 月 28 日時点で当サイト PREVIO に掲載していたカスタマーサクセスの求人のうち、題名が CS の仕事のものを、会社単位で数えました(その記載のある求人を 1 件以上出す会社の割合。「どの求人にも書いていない」はすべての求人に無い会社)。求人票に書いてあるかの集計で、職場の実態ではありません。書いていないことは、無いことを意味しません。日本の求人全体の数字でもありません
- 担当社数の幅は、担当社数を書いていた少数の会社の書き方を並べたもので、分布ではありません
- 担当顧客数の平均 97 社は、CS ツール Fullstar(提供はクラウドサーカス)の調査(2023 年 8 月、BtoB の情報通信業で CS・サポートを担当する人へのインターネット調査)で、勤め先の CS 1 人あたりの担当顧客数の設問に答えた 114 人の平均です
- 営業の約束の引き継ぎ、売上目標が後から付く話、立ち上げ期の成果の見え方は、CS の経験者や CS の支援・人材サービスの会社の人が書いた記事をもとにしています
- 次は当サイトの判断と助言です
- CS を続ける限り残るものと、会社によるものの分け方
- 解約の原因の分け方と、打てた手、振り返りの問いが仕事の決まりごとから来ること
- 利用率が落ちた会社への連絡で、担当社数が多いかを見ること
- 面接の質問の読み方と、上司への相談の仕方
- 営業経験の評価のされ方と話し方、解約の話を面接でしてよいこと
- 手応えの感じ方、辞めた後の候補とプロダクト職の求人の見方、半年ほどという見切りの目安