職種の求人市場
フィールドセールスはやめとけ?四半期の数字で詰められる会社の見分け方
IS から受け取った商談の受注を四半期の締めで問われること、顧客の稟議で商談が止まることは、分業のフィールドセールスならどの会社でも起きます。会社によって違うのは、見込みの薄い商談を IS に戻せるか、何で評価されるか、失注の報告で責められるか。求人票ではほぼ読めないので、面接で最近の出来事を聞く質問と、辞める前に今の会社で試せることをまとめました。
公開 2026年9月29日 · 更新 2026年10月9日 · 集計 2026年9月29日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・選べない商談を受け取り、何か月もかかる商談の受注を締めで問われ、稟議で止まるのは、分業のフィールドセールスならどの会社でも起きる
- ・会社によって違うのは、商談を IS に戻せるか、何で評価されるか、失注の報告で責められるか。求人票ではほぼ読めない
- ・面接では仕組みがあるかではなく、戻した件数や失注の閉じ方など最近の出来事を聞く。今の会社で一度試してからでも遅くない
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SaaS の会社で、インサイドセールス(IS)から商談を受け取るフィールドセールス(FS)を数年続けている人がいるとします(架空の例です)。IS から入る商談の半分ほどは、情報収集の段階の相手です。それでも週次の会議では、受注率と、案件ごとに次に何をするかを聞かれます。四半期の締めでは、見込みに入れていた 3 件のうち 2 件が先方の稟議で次の期の予算に回り、1 件が情報システム部のセキュリティ確認で止まって、達成率が目標に届きませんでした。
自分では選べない商談を受け取ること、何か月もかかる商談の受注を毎月・毎四半期の締めで問われること、顧客の社内の稟議で止まることは、分業の FS ならどの会社でも起きます。
会社によって違うのは 3 つです。IS が何を確かめたら商談にするかの基準があり、見込みの薄い商談を IS に戻せるか。受注率や金額だけで評価されるのか。未達や失注を報告した時に責められるのか、原因を一緒に見てもらえるのか。
四半期の数字で詰められるつらさは、どこでも起きる前者に、会社による後者が重なったものです。ただ、後者の 3 つは求人票にはほとんど書かれていないので、面接で確かめることになります。
どの会社でも起きるきつさと、会社によって違うきつさ
FS のきつさとして挙がる場面と、会社を変えたらどうなるかを並べます。
| きつさ | 場面 | 会社を変えたら |
|---|---|---|
| 選べない商談で受注を問われる | 自分でアポを取っていたら電話で断っていた相手とも 1 時間話し、契約に至らなくても結果は自分の受注率に表れる | 受け取ること自体は同じ。どんな状態で渡され、戻せるかは会社による |
| 営業の流れの最後で数字を背負う | マーケと IS が作った商談を受注に変える役で、失注は前後の職種の数字にも響く | 同じ。個人の数字かチームの数字かは会社による |
| 商談に何か月もかかるのに、締めは毎月・毎四半期 | 担当者が乗り気でも決裁者・情報システム部・法務・稟議で数週間止まり、進行中の案件は多いのに今月の受注はゼロ | 同じ。かかる期間は顧客の規模と商材による |
| 顧客の社内で決裁を通す | 決裁に関わる部署や人を整理し、懸念への答えを用意し、上申資料の草案まで作る | 同じ |
| 失注、とくに理由が書けない失注 | 連絡が取れなくなった商談は理由を書けず、失注にもできずに残り続ける | 失注は起きる。報告で責められるかは会社による |
| 受注後の CS との板挟み | 受注時に伝えた運用が導入で通らず、顧客と CS(カスタマーサクセス)の間に入る | 受注後を CS に渡す会社では同じ。自分で持つ会社では、商談と導入の掛け持ちになる |
| 自分でもアポを取るか | 商談が足りない時期は、分業の会社でも FS が自分で架電する | 会社による |
検索上位の評判記事も、アポを取る人と商談する人が分かれたことで質の低い客とも商談しなければならない、訪問先を自分で選べない、と挙げています。情報収集の段階の相手を受け取ること自体は、分業の FS である限り避けられません。自分でアポを取っていた頃と違って、会う相手を自分で選べないからです。
ただ、その相手に 1 時間まるごと使うのか、短く確かめて IS に戻せるのかは、会社の運用で決まります。同じ評判記事は、FS が IS やマーケにどんな顧客と商談したいかを伝えて質を上げることもできる、とも書いています。
ノルマ、新規開拓、休日の電話など、法人営業全般のきつさは「法人営業がきついのは会社のせい?職種に残るきつさの見分け方」で扱っています。
達成率が届かないのは、商材のせい?評価の仕組みのせい?
両方が関わっています。そのうち、会社を変えて軽くできるのは評価の仕組みのほうです。
中堅企業にクラウドサービスを導入してもらう商談なら、稟議や情報システム部の確認で数週間止まるのは、商材と顧客の規模によるものです。顧客が大きいほど商談は長くなりやすく、同じ規模の顧客を相手にする限り、会社を変えても同じです。
一方で、四半期の達成率でインセンティブが出るか、ほとんど出ないかが決まるのは、評価の仕組みです。何か月もかかる商談を四半期で区切れば、1 件が次の期にずれ込むだけで達成率が目標を下回ることがあります。評判記事には、売上だけで評価するか、商談数や進め方、チームへの貢献も見るか、という会社の違いが挙がっています。評価の期間が長い、未達でも達成率に応じて一部は出る、個人ではなくチームの数字で見る、といった仕組みなら、1 件のずれ込みの影響は小さくなると当サイトは見ています。
失注の扱いも会社によります。営業マネージャーを務めた人は、失注の報告が担当者を詰める時間になる職場では、価格が合わなかった、といった誰も傷つかない理由を選ぶのが合理的になる、と書いています。連絡が取れなくなった商談は理由を書きようがないので、失注にもできずに残り続けます。逆に、期限を決めて失注として閉じてよく、閉じた件を責めるより、どの段階で止まったか(IS の段階で分かったのか、情報システム部で止まったのか)を見る職場なら、同じ失注でも週次の会議の重さは変わるはずです。
詰められる会社かどうかは、求人票ではほとんど読めない
求人票から分かるのは、どこからどこまでを担当するかです。渡される商談の質や評価の仕方は、ほぼ書かれていません。
当サイトの掲載求人(2026 年 9 月 29 日時点、求人の題名に「フィールドセールス」か field sales を含むもの)を会社単位で見ると、商談にする基準や IS に戻す条件を明記した会社は見当たりませんでした。受注率などの語を担当者の目標として書く会社もごく一部で、この語を書く会社の大半は、自社の成約率の宣伝として書いていました。
手がかりになるのは、商談が足りない時に何をするかまで書いてある求人です。たとえば「商談予定が少ない日(週 0〜2 日程)は、ご自身でも架電やアプローチを行い」のような書き方からは、商談の数がどう動くかを会社がつかんでいると読めます。書いていない会社にそうした運用が無いとは限らないので、書いていない会社を外すのではなく、書いてある会社から先に見るとよいと思います。
面接では、仕組みより最近の出来事を聞く
面接で商談化の基準はあるかと聞いても、ある、IS と連携している、と答えられるだけのこともあります。そこで、仕組みがあるかではなく、最近あった出来事を聞きます。実際にあった出来事のほうが、その場で取り繕いにくいからです。大事な順に 4 つです。
1. 直近 1 か月で、FS から IS に戻した商談は何件ありましたか。最近戻したのはどんな理由でしたか
件数と理由が具体的に出てくれば、戻す運用が回っていると読めます。一般論しか返ってこないなら、戻すことはあまり無いのかもしれません。
2. 情報収集だけと分かった商談も、商談数や受注率の分母に入りますか
入るなら、情報収集の段階の相手を受け取るほど受注率が下がります。
3. 連絡が取れなくなった商談は、どうなったら失注として閉じてよいことになっていますか
閉じる条件が決まっていれば、止まった案件を毎週問われ続ける職場ではない手がかりになります。
4. 昨年度、チームの FS で達成率が一番低かった人と一番高かった人で、年収はどれくらい違いましたか
評価の仕組みが違う会社に移った時に年収がどう変わるかは、この記事では示せません。この差を聞けば、達成率によって年収がどれくらい開く会社か、見当がつきます。
どの会社にも同じ質問をすれば、答えを並べて比べられます。可能なら、面接官とは別に現場の FS と話す場を頼んで、同じことを聞くのがいちばん確かです。
辞める前に、今の会社で一度試せる
評価や商談の受け渡しは会社のやり方なので、今の会社でも変えられる余地があります。上司に出すなら、感想ではなく自分の数字を持っていきます。
- 直近の四半期に IS から来た商談のうち、情報収集だけだった件数と、そのうち次の商談に進んだ件数
- 連絡が取れなくなって止まっている案件の件数と、最後に動いてから何週間たっているか
そのうえで、IS に引き継ぎで確かめてもらう項目を 2 つに絞ります。いつまでに何を決めたいか(今期中に検討するのか、来期以降に向けた情報集めか)と、決裁に誰が関わるか(担当者だけか、上長や情報システム部も絡むか)です。この 2 つが分からない商談は、本番の商談の前に 15 分の確認の場を挟む。まずは試しにやらせてほしい、という形で出します。
2 つに絞るのは、稟議が次の期に回る、情報システム部で止まる、という今回の未達の原因とそのまま重なるからです。上司には、達成率が届かなかった原因を、商談に入る前の段階で確かめたい、と説明できます。自分の側でも、2 つが分からない案件は今期の見込みに入れないことにします。顧客の予算が次の期の枠で組まれているなら、FS からは動かせません。情報システム部の確認は、担当者が前向きになった 2 回目の商談あたりで、以前ツールを導入した時にどんな確認がいつ必要だったかを聞き、回答資料を先に渡しておくと、確認を早い時期に済ませられることがあります。
上司の反応は、話を聞いてくれたかより、実際に何かが一度でも変わったかで見ます。試しにやってみよう、IS のマネージャーと話そう、となれば、残る理由の一つになります。数字がすべてだと返されて終わり、週次の会議の聞き方も変わらないなら、辞める理由の一つになります。見る期間は、締めを 1〜2 回またぐまでで足ります。その間に求人を見て、面接で上の質問を試すのは並行してかまいません。応募することは、辞めると決めることではありません。
よくある質問
自分でアポを取る新規開拓の営業に戻れば楽になりますか?
選べない商談を受け取ることはなくなります。そのかわり、アポ取りから受注まで全部を自分で持つ仕事に戻ります。分業の中でつらいのが、受け取る商談の質と評価なら、分業のまま会社を変える道も先に見てよいと思います。
受注後まで自分で持つ会社なら、CS との板挟みは減りますか?
CS との間に入ることは減ります。そのかわり、商談で約束した運用を自分で導入の設定に反映するので、商談と導入を掛け持ちすることになります。
IS に移るのはどうですか?
移動や受注の最終責任からは離れますが、アポを作って渡す側には別のきつさがあります。インサイドセールスの記事で扱っています。
面接で、達成率が悪かった期のことを聞かれたらどう話せばいいですか?
事実、原因、変えたことの順で話します。たとえば次のようにです。
- 事実: 見込んだ 3 件のうち 2 件が稟議で次の期に回り、1 件が情報システム部の確認で止まった
- 原因: 決める時期と決裁に関わる人を、見込みに入れる段階で確かめていなかった
- 変えたこと: 見込みに入れる条件に、その 2 つを足した
IS の商談の質を前に出すと他人のせいに聞こえやすいので、見込みに入れる条件を自分で決めた、という形で話すほうが伝わります。
この記事の数字と声について
- 当サイトの数字は、2026 年 9 月 29 日時点で当サイト PREVIO に掲載していた求人のうち、題名に「フィールドセールス」か field sales を含むものを、会社単位(その内容を書いた求人を 1 件以上出している会社)で数えたものです。日本の求人全体の数字ではありません。求人票の文面を語で検索し、一部の求人を目で確認して判定を直した結果で、職場の実態ではありません。書いていないことは、無いことを意味しません
- FS のきつさの場面は、検索上位の評判記事と、働いている人や営業マネージャー経験者、人材紹介会社の人が書いた記事をもとに当サイトがまとめたものです。働いた人の声は少なく、会社の発信に近いものも含みます。会社や商材で変わります
- 次の点は当サイトの見立てです
- 評価の期間、達成率に応じた支給、チームの数字で、1 件のずれ込みの影響が小さくなること
- 失注を責めない職場で起きること
- 求人票の書き方から運用を読むこと
- 面接の質問と、その答えの読み方
- 今の会社で数える項目、2 つの条件に絞る出し方、情報システム部への資料の渡し方、見極めの期間、面接での話し方は、当サイトの助言です。会社や相手によって受け取られ方は変わります